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牧本と話しに

 みかんは、少しずつ落ち着いてきて、そして、どうして急に逃げて、泣いているのかを話し始めた。


 牧本と話した時に何かあったんだろうなと思ってはいたけど、牧本が今になってそんなことを言う人だとは思っていなかった。


「でもね、私が悪いから……私が悪いですわ」


「いやでもさ……もう昔のことで許したことについて……どうしていきなりみんなの前でいやみのように言う必要があったんだよ……」


 牧本はみかんと小学校の時、僕の見ている限りでは、ずっと仲が良かった。ダンスもずっと一緒に頑張ってきていたはずだ。牧本は確か中学受験をしたからみかんとは離れ離れになったけど、その会っていない間に、みかんに悪感情を持つようになったというのは、理由が全く思いつかない。


「それは、きっとずっと、私が嫌いで……たぶん……久々に会ってそれが爆発したからですわ」


 ……そんなことないはずだ。みかんと牧本は本当に友情で結ばれていた気がする。二人とも、ダンスも本当に好きだったと思う。実際高校まで、二人ともダンスを続けている。


 しかし……だとすれば……。


 僕は牧本の考えていることがわかってきたかもしれない。


 浜辺さんにおたまで叩かれるまで僕は、お子様ランチでいい結果を残したいと思い、そして、いつの間にか大切なことを見失っていた。


 きっと牧本だって、それと一緒の状態なんだ。


「……みかん。牧本のところ……行ってくる」


「どうして……やめて……怖いですわ。何が起こってるのか知りたくないですわ」


「大丈夫。みかんに悪い感情なんて誰ももってない」


みかんが不安げに立ち上がった。片手は壁についたままだ。こんなんじゃ、生き生きしたダンスは踊れない。


「私……」


「みかんは……ゆっくり戻ってきて。絶対に解決する」


 僕は急いだ。大丈夫だみかん。みかんが今までダンスを頑張ってきて、そして本当にダンスが好きなことは、みんな知っている。


 もちろん、牧本も知っているってことだ。




 ダンス部の人々が集合しているところに戻ると、オレンジのユニホームの中の水色は、いなくなっていた。水色の集団を見る。一人ひとりよく見る。多分いない。ということは、きっと一人でどこかに行っている……。


 僕は、牧本はみかんがいる方と反対側に行ったんじゃないかと思った。


 ダンス部の集団のすぐ横を通って、それから走って通路を進むと、曲がってすぐ、牧本をみつけた。背が思っていたよりも高い。小学生以来だから、そう思えるのかもしれない。


 牧本は僕に気がついた。


「? 田植……?」


牧本はすごく驚いていたが、僕の名前はすぐに出てきたようだ。流石、記憶力が良い。


「そう……僕は田植。久しぶり……牧本」


 僕は、牧本を見た。そしてその時わかった。牧本は、もう、みかんに言ったことについて後悔している。

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