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つんつんみかん


 みかんは、最初は羽有がそこにいることに気づいてなかったようだが、いざ気づくと羽有に普通に話しかけていた。


 仕方ない。僕も行こう。


 僕は羽有のところへ行き、それから少し話した。羽有は僕とみかんが付き合っていると知って驚いたようだ。まあその話はいいや。別に隠していたわけではないし。


 僕が羽有と話している間に、みかんはいつの間にか順路の先の方に行っていた。


「凛太ー!こっちに超可愛いチンアナゴがいますわ」


「あ、本当か……? 今行く……じゃあな羽有」


 僕はみかんを追った。羽有と小学生三人は、水族館の、青くて薄暗い空間に、溶け込んで行った。


 


 チンアナゴは円柱形の水槽に入っていた。


 みかんは水槽をつんつんして、にょきにょき生えているチンアナゴと戯れている。


「この、色違いのはなんですわ?」


「……ニシキアナゴ……だって。……チンアナゴとは種類が違うんだな」


「なるほどですわ」


 仲良くゆらゆらしている。ニシキアナゴは、白とオレンジのしましま。


 有名なカクレクマノミみたいな感じだ。



「つん……ですわ」


「……!」


 ……みかんが予想外のことをしてきた。


 僕のほっぺまでつんつんしてきたんだが……。

 

「……どうかしたですわ?」


 いたずらっぽく笑うみかん。ちょうどお子様ランチを食べそうなくらい幼い雰囲気。なのに魅惑的だ。


「いや……ちょっと……びっくりしただけ」


「そうですわ?」


 みかんはにこにこして次の水槽へと向かう。


「凛太こっちですわ」


 ……みかん、楽しそう。僕も楽しい。


「ここにいるのは、デンキウナギですわ」


「結構でかい……」


「触ったらびりってしますわ?」


「どうなんだろうな……しそうだな」


 ぴかっ。


「あ、光った……デンキウナギが発電すると……そこのイルミネーションが光るんだな」


「すごい仕組みですわね」


 ぴかっ。また光った。

 

 すごいな……。でも少しまだイルミネーションには早い時期かな。


 

 クリスマスにもこうやってみかんと出かけられたりしたらいいな。でも花凛も一緒に行きたいって言いそうだな。そしたら三人で行くか。


 

 それから、僕とみかんは順路をさらに進み、色々な環境が再現された水槽を覗いては話してを繰り返していった。


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