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二人のダンスの練習


 僕は、お子様ランチがそこにあっても気づかないくらい考えごとをしながら家へと向かっていた。


 

 このままではお子様ランチのクオリティが上がる気配がない。

 

 解決作を考えなくてはならない。プリンがダメなら他のデザートにしようと思う。しかし、市販のプリンやゼリーを使ってしまったらその時点で負けだと思う。


 だからどうすればいいか考えていてそれで落ち着かない。


 前は、今度何か試しに作ってみようかなー、くらいな感じだったけど、今回はなぜか、僕はかなり真剣に考え込んでしまっていた。

 

 お子様ランチのキーホルダーがついた鍵を開けて家に入る。


「ただいま……」


 僕は花凛がいるだろうと思って、そう言ったが。


 物音がしない。どこかに行っているのだろうか。


 そう思ってリビングに入れば、みかんと花凛の鞄だけあった。


 どこに行った二人とも。


 なんか不安になって僕は急ぎ気味で外に出た。


 そして深呼吸して耳をすませば、小さくみかんと花凛の声が聞こえてきた。


 下のマンションの敷地内にある公園からか。


 下に降りて行ってみる。昔、たくさんみかんと、未来とも遊んだ公園。


 遊具はほとんどなく、ばねでびよんびよんする馬があるのみ。


 その代わりまあまあ広い。


 そこでみかんと花凛はダンスの練習をしていた。


「お兄ちゃんおかえり……いー」


 元気に言おうとしたみたいだが、途中で息が切れてしまった花凛。結構ハードな練習をしていたようだ。


「おお……ただいま」


「みかんに……ふー、教えて……もらってた……」


「そうか。お疲れ……みかん、ありがとうな……」


 僕は黒に水色のラインが入ってるスポーツウエア姿のみかんに言った。スポーツ少女が二人。


みかんはもちろん、花凛も、プリンの味のように言葉にしにくい運動後の雰囲気が魅力的。


「私も練習になるから全然おっけーですわ。それに、教えるのも楽しいですわ」


 そうか。楽しい……。そうだよな。二人ともダンス、好きだよな。練習をやりきって清々しいっていう顔を二人ともしている。


 

 僕も二人のように、成長するための努力をしないと。


 気持ちよくみかんと水族館にも行くためにも、何としても今週中にお子様ランチの成長をみせたい。


 ポケットに入っているお子様ランチのキーホルダーと鍵を握り、僕はそう思った。


お読みいただきありがとうございます。


そろそろ水族館に行く話になりますが、そのあたりから物語を動かしていきたいと思います。

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