表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/95

水着姿を見ても余裕だな。


 僕は三人と別れて、プールの男子ロッカーに入った。着替えを急いで済ませ、プールに出て、シュミレーション。


 花凛の音読の宿題に習い、昨日気をつけることを書き出して音読を繰り返した。


 動揺しそうになったら深呼吸。準備運動はする。水着をさりげなく褒めるがへんたいだと思われない程度に。


 そして、浮き輪やビーチボールを前もって膨らませる。


 これは今やろう。


 僕は膨らませる機械のところに行って、浮き輪一つとビーチボール一つを膨らませた。


 破けなてないか確認。


 あれ、もしかして完璧なのではないか。お子様ランチを作る手順に比べたら単純だな。


 みんな今どんな感じで着替えているのかな……。


 僕は三人が着替えてる姿を想像しかけて、慌ててそれをフリスビー型に頭の中でまとめて飛ばした。


 いや、なんか飛ばし切れていないのがある。


 僕は猫とお魚のパンツを想像してしまっていた。


 今日も履いてたりして……。


 ストップ自分。よし。心を落ち着けるために一人ビーチボールをして待とう。


 僕は上にボールをあげた。自分でそれを打ち上げてキャッチ。


 もう一度上げる。キャッチ。


 なんかあんまり楽しくないな……。


 じゃあ次は浮き輪をはめてみよう。


 おお……浮いてる気が……みじん切りの玉ねぎひとかけら分もしないな。


 暇すぎるが、先にプール入ってたら怒られるよな……。というかむしろちょうど今来たところっていう雰囲気を出さないといけないんだよな多分こういう時って。


 まてよ。今は三人の目がない。つまり、そこらへんにいる人の太ももやおっぱいをちらりと見ても、なにも言われないのでは……?


 僕は周りを見る。元気にプールを泳ぐおじいちゃん達。謎の体操みたいなのをしているおばさん達。そうか、女の子がたくさんいる流れるプールとかは向こうの方か。


 仕方ない。目を瞑ってお子様ランチを脳内に出現させよう。




 そのまま脳内お子様ランチを見つめていると、三人の声が聞こえて来て、だんだん近づいて来るのを感じたので僕は目を開けた。


 水着姿の三人が……、ちょうど女子ロッカーの出口から、ぴょんぴょんぴょんと登場した。


 右から順番に、柚川、みかん、未来です。


 あ、僕今誰に紹介したのかな?


 水着の色は、右から順番に白、水色、ピンクです。


 みんなで示し合わせて違う色にしたのかな?


 

 なんか様子が変だ。誰の様子が変かっていうともちろん僕。


 卓球のウエアの時よりもだいぶ上まで露わになっている未来の太もも。


 みかんの大きいふわぽよん度無限大発散のおっぱい。


 まだあまり話せてもいない柚川の綺麗な体型が見てすぐわかる水着姿。


 これらをいきなり見てしまったりしたからかな。


「はい。ビーチボールと浮き輪……よしさあプール入ろう」


 僕は三人にビーチボールと浮き輪を渡し、流れるプールの方へと歩き出す。ほら、なにも問題なく平常心のかたまりだよな。僕は余裕で前を向いて歩く。


 バチャバチャ。どて。


 痛い……なぜ転んだ。


 どうやらいつの間にか、砂浜のようにだんだん深くなっているところから、プールに入っていたようだな。そして滑った。


 あまりに心が落ちつきすぎていたようだな。


 開始早々、我ながら平静を保つのがうまくいってるな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ