春と言えば花見ですが、どうして俺は酔っているのですか?
ヤキソ〇ンの効果は未だに続き、家に引きこもっているのも疲れたので、今日は気晴らしに外へと出かけた。
外は春の暖かさで桜が咲き始めている。今年は例年よりも早く、既に花見シーズンへと突入していた。
<おうおう!花見しようぜ!!>
<酒だ酒だ!!>
既に飲んでいるオヤジ達を無視し、俺は川沿いの土手の桜景色を優雅に満喫しながら、春の訪れを楽しんでいた。
「せんぱーい!」
桜の木の下でレジャーシートを広げ、その上で此方へと手を振る歩美の姿が目に入った。
「お、花見か?」
「はい。お弁当も持ってきたので先輩もお呼ばれされませんか?」
「お!いいのか!?」
「ええ。今日は何も変な物はありませんよ?」
歩美が取り出したバスケットには可愛らしい色とりどりのおかずと一口サイズのおにぎりが入っていた。
<歩美タンの手料理ずるいぞ!俺達にもよこせ!!>
<最初から正攻法で行けば良いと思うのだが、言わないでおこう……>
「え!これ歩美1人で作ったのか!?家庭的でとても良いな!」
俺は出された料理を手当たり次第食べ始めた。
「ふふ、大丈夫ですよ。沢山用意しましたから」
そうそう、こう言う普通の青春がしたかったのよ、俺は……。
しかし、それは束の間の青春だった。
「ヒロ君!ヒロ君!」
なんと、目の前にひょっこりとダイナマイトボディのヤキソ〇ンが現れた!恐らく声的に茜だろう……。
「げっ!!」
「茜さん……」
ヤキソ〇ン(茜)は俺の隣へと座ると、徐に弁当を広げ始めた。
「私も混ぜてよ♡」
茜が取り出した弁当箱の中には、暗黒物質 反物質 UMA オーパーツ等、何と呼ぶべきか分からない物体が所狭しと詰め込まれていた。
「その弁当を解析するだけで世界の謎の八割くらいは解明出来そうだぞ……」
俺は2つの弁当を見比べ、あまりの落差に少し歩美の方へすり寄った。
「かくなる上は奥の手よ!」
茜は一般的に売っている『天然水』のラベルがされたペットボトルを取り出した。
<おい茜よ、自分でバラしたら駄目だろう……!>
「なんだ、ただの水か。ありがとう丁度欲しかったんだ」
まだ開封されていない事に安心した俺は、フタを開けるとグイグイと胃の奥へと流し込んだ。
<おい、これ酒じゃねーか?>
<ペロッ……これは……酒!?>
半分程飲んだ俺は、急に意識が朦朧とし、その場に仰向けで倒れてしまった…………。
<あー、映像もグニャグニャだ~>
<流石のヒロ君も酒は駄目か……>
「ヒロ君~?生きてるー?」
「一体何を飲ませたんですか!?」
「え~……っと、エチルアルコール♡」
「…………誰だって倒れますよ」
空が回り、幾多のヤキソ〇ンが揚げ玉ボンバーを繰り出す世界がここにある……。俺はヒヨコでハンドルがもげると金閣寺がクリームパンの七不思議…………。
「あ、ヒロ君起きた…………けど白目剥いてない?」
「茜さんのせいですよ!折角良い雰囲気だったのに!!」
「良い雰囲気だから邪魔したんでしょ!?何よ!!」
お湯を捨てるときにシンクがベコッ!って音鳴るのビックリするぐらいデストロイ…………あ、あんまん美味しそう、むにむに。
「も~ヒロ君ったら白目剥きながら胸触らないでよ~。いいよもっと触って」
「もしもし茜さん?最後に本音が漏れてますよ」
<何だかヒロ君が変だぞ……>
<酒が強すぎたか耐性が無さ過ぎたか……>
「流石にヒロ君ちょっと怖いわ……家に運びましょう」
「10000000000%茜さんのせいですよ……」
ああ~ヤキソ〇ンに攫われる俺は妖精の投げキッス祭でウンコ踏んだ…………