もう1人の幼馴染みも気が狂ってて困ってます!!
(あー…………暫く家には帰れないな)
俺は着の身着のまま飛び出した家の方を振り返り、途方に暮れていた。
出入り自由(不法)な茜には困ったものだが――――
「先輩♪」
!!
突如背中に声を掛けられ俺は慌てて振り返る、そこにはもう1人の幼馴染み『歩美』が居た。
<歩美ーーーー!父ちゃんだぞーー!結婚してくれーーーー!!>
俺の中でオッサン達が暴れ始めたが、無視しておこう。
歩美は嬉しそうに微笑み、クルリとその場で一周回った。
「あ、その制服……」
歩美が着ていた高校の制服は、俺が通う高校の制服と同じだ。つまりは……。
「先輩が見えたから、嬉しくてつい外に出ちゃいました。ヒロ先輩♪4月から宜しくお願いしますね?」
歩美はありったけの笑顔を俺にぶつけてきた。
――――ピシッ
<さあ、今ヒロ君の理性の壁にヒビが入る音が致しました!解説の方どうでしょう!?>
<後二押しと言った所でしょうか?攻め方は合っているようですね>
「先輩?私似合ってますか?」
スカートの裾を少し持ち上げ可愛げに此方の表情を覗く歩美。正直可愛いが、素直に褒めると後が怖いので俺は無言で軽く頷くだけにした。
「ところで先輩?お一つ如何ですか?」
徐に取り出したビニール袋。中には小さなプチシューがいくつか入っていた……。
<おっと、何か秘密兵器らしい物が飛び出しましたよ?>
<間違いなく毒ですね。実に歩美タンらしいです>
オッサン達に言われるまでも無く、俺は出されたそれを信用していない。1つ受け取ると、空高く放り投げた。
屋根の上に居たカラスがプチシューをかっ攫っていく――
――――ボトッ!
プチシューを食べたカラスが痺れて地面へと落ちた。
「随分と刺激的なプチシューだ……」
「へへ、ありがとうございます」
褒める気は更々無いが、何故か嬉しそうな歩美。
「今度は大丈夫ですよ?」
と、何処から取り出したのか、いつの間にか歩美の手にはどら焼きが握られていた。
「……………………」
俺は無言で受け取り、どら焼きの皮をめくる……。
すると、どら焼きの餡の中に紛れ込むように錠剤が3つ姿を現した。
「一応聞くけど、これは……?」
「どこぞの原住民が使用している、超強力な精力剤です。飲むと一週間くらいギンギンですよ♪」
少し恥ずかしそうにモジモジと狼狽える歩美。うん、問題が色々と山積みだ!
「男の人のアレが270°くらいビンビンになって、気が狂うくらい凄いらしいですよ♪」
……270°って腹の中にめり込んでないか?そりゃあ気が狂うわ。
「それと、私以外の人がマイケル〇岡にしか見えなくなる薬も…………それもヤキソ〇ンの姿で……」
「え、何それ怖い」
でもちょっと興味あるぞその薬。
俺はどら焼きに混入された錠剤を端へ寄せ、どら焼きを半分に割ると興味本位で口へと入れた。
すると、目の前に居る歩美以外の通行人や住民がヤキソ〇ンへと変貌した!
<ヒロ君ってこういう所アホだよな>
<でも、気持ちが分からんでも無い>
「うわぁ!すげえ!!」
俺は子どもばりに興奮し、そのまま街へと駆けだした!
「せんぱーい!またね~!」
手を振る歩美に目もくれず、俺はヤキソ〇ンしか居ない世界へと突入した。
「うはっ!マジでやべぇ!」
街中ヤキソ〇ンだらけになり、暫く笑い転げたが、30分もしたら飽きたので帰った。
「ただいま~」
茜が帰った自宅へと戻ると、帰宅していたヤキソ〇ン(母親)が出迎えてくれた。
…………これいつまで続くんだ?