ビーチに咲く危ない華 ~ゆかり~
愛は地球より重いと言いますが、そんな重い愛を一度で良いから受けてみたいです……。
きっかけは些細な事だった。
最初は教室や屋上でイチャイチャしているバカップル程度にしか見ていなかった。私には関わりの無い事……けれど、心の何処かで日の当たる貴方が羨ましかったのかもしれない。
日向に生える少し目立つ草。それが貴方たちの最初の印象だ。気まぐれで摘んでしまっても構わない。そんな名も無き草。
偶然にも貴方の目の前で転んだ私はパンツを押し付けられた。慌てて帰った後に気付いたわ。普通に考えたら変態よね。何の偶然なのかわざとなのか、この際どうでも良いけどアレはインパクトがあったわ!
その後の些細な積み重ねを経て、私は今ここに居る…………。
とても簡単な男。これに執着する貴女達が私には理解できないわ♪
それに簡単に出し抜かれちゃって情け無い事。今まで貴女達がしてきた苦労は何だったの? どんだけ恋愛下手なの? と言いたい。
しかし、時折私を睨みつける1年が目障りだわ。
躾のなってない後輩って嫌よね。きっと親にも問題ありそうよね。とてもじゃないけど理解に苦しむわ!
アレがつまらない男だってのは判ったから、後は貴女達の心をズタズタに引き裂いてこの男ごと捨ててやるわ……。
だって私気付いちゃったんだもの……。醜く狂い咲く嫉妬の華が、こんなにも美しいって事にね♡
さて、どの華から踏み潰してやろうかしら?
アレはもうダメね。心が折れてるもの……。茎の折れた華には興味が無いわ。
あの子は、もう一花咲きそうね……。ふふふ、楽しみだわ♪
あ、そうそう。私に妙な薬を盛ろうとした事、覚えておきなさいよ? 危うく人として何かを失う所だったわ! 島貫君には悪いことをしたわね……。ま、男なら別に良いでしょ。
海で懸命にはしゃぐ貴方が時折私の躰だけを視姦する。
(意外と一途なのかしら……?)
隣りに居る肉欲の化身には目もくれようとしない。ふぅん、案外可愛い所もあるじゃない?
私の中の何かが、私の体を突き動かす。きっと悪魔の類いだろうけど……。
「きゃっ……」
大きな波に体を攫われた拍子に抱き付いてみた。
「大丈夫!?」
貴方の心配そうな声に、私の中は一筋の優越感で満たされた。
見せつけるように、ひっそりと抱き付いてみる。
「………………」
折れた貴女にはぐうの音も出ないかしら?
「ゆ、ゆかり?」
アンタは黙ってなさい。それと腰を引かしても無駄よ。もう股間が凄いことになってるのはバレバレなんだから……。
くくく、来週が楽しみだわ。貴女達の悲痛に歪む顔が見れると思ったら、何だか濡れてきちゃったじゃないの……♡
だからコイツらで遊ぶのは止められないのよね。嗚呼、クセになりそう~♪
 




