表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/74

梅雨明け、そして夏休み。まあ、俺はバイト三昧ですけどね。

新章突入です。物語は更にドロドロしていきます……

 ジメジメした梅雨シーズンにさよなら!


 俺は照り付ける太陽の中、干上がったミミズの様になっていた。

「あぢぃ…………」

「くぉら!サボるな!!時給100円にするぞ!!」


 現場の鬼監督が暑さでダレる俺に向かって、労基法に喧嘩を売っていた。


 俺は今、真夏の炎天下の中引っ越しのバイトをしている。夏休み限定だが中々に貰いがいい。まあ、その分辛いけどね……。


「島貫め……俺にはキツい仕事紹介しといて自分は冷凍室のバイトかよ……」

 俺は裏切り者島貫をいつか懲らしめてやろうと心に決め、仕事へと戻った。


「今日も……疲れた……」

 疲労困憊の体を引きずり、自宅へと戻る俺。バイトを始めた理由は至極簡単だ。

 『ゆかりをデートに誘っても金が無い!!』


 まだ告白すらしてないが、学校で話す分にはとても良い雰囲気である……筈。うん、自信は……無い。


 『8月10日リニューアルオープン!!』

 電車で少し離れた水族館のチラシを眺め、俺はゆかりとのデートプランを考えてはその先を妄想する日々を送っていた……。


<茜……>

<歩美タン……>


 この頃はオッサン達も大人しい。俺はゆかりとの平穏なラブストーリーを送るのだ!!


<ヒロ君よ……待て>

 ――おっ、何だオッサン。久々だな?


<いきなりデートに誘っても、失敗するぞ?>

<そうだな。撃沈するな>

 ――な!何を根拠に!!


<だってヒロ君デートした事無いでしょ?>

<デート童貞だからな!>

 ――ガガーン!! た、確かに…………。


 童貞が初ピーの時に失敗した話はよく耳にする!

 つまり人生初デートも……。


<そこでだ……>

 ――お、おう……。


<皆で海にでも行ったらどうだ?>

<おっ、いいねぇ!>

 ――ちょっ! いきなりハードル高くないか?


友達(島貫)にも遊んでやれって言われてるだろ!?>

<そうだそうだ! 俺達の愛娘の責任を取れ!!>

 ――わーったよ!行くよ!行きますよ!!


<……それと、誘う順番は気を付けろよ?>

<島貫君も誘えよ?>

 ――色々と注文が多い奴等だ……。




 俺は、先ず島貫に声を掛けた。


「海に行かないか?」

「……お前と俺とでか?」

 それは勘弁してくれ。


「その~……一緒に行きたい子が居るんだが……いきなり二人っきりは恥ずかしくて……」


 俺は電話越しにモジモジとした。傍から見たら気持ち悪いだろう。


「…………3人でか?」


 何だろう、島貫の声が少しキツい気がした。マズったか?


「皆でだ。茜と歩美も誘おうと思う」

「う~ん…………」


 島貫はしばらく考えた後にようやく口を開いた。


「いいんじゃないか?たまには皆で遊ぼうぜ?」

「そ、そうか!そうだよな!ははは!」


「茜には俺から声を掛けるから、歩美の方は頼んだぞ!」

「オーケー」


 こうして、俺達は海へと出掛けることにした。


 目指すはその先のゆかりとのデートだ! これを成功させて俺は青春を謳歌するぞ!!


<おうおう、張り切って失敗しろ!>

<骨は拾ってやるよ!>


 嘲笑うオッサン達を無視し、俺は海への準備を考えた―――

読んで頂きまして、ありがとうございました!

評価、コメント等……お待ちしております!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ