またベッドに拘束されました。いきなりハードプレイで困ります。
主人公の心の中でくつろぐオッサン2人。
オッサン達は酒を飲みつつ、古いテレビを通じて外の様子を楽しんでいた……。
ピンク色の部屋に雰囲気のあるレースのカーテン。
俺の手足にはチェーンデスマッチとかで使いそうな強靱な鎖が鈍い金属音を立てていた。どうあがいても自力での脱出は絶望的…………
「やっと掴まえた……♡」
俺の上に馬乗りに座る茜は、人差し指の先を口に触れ恍惚とした表情で俺の肋骨をなぞる。
あられもない茜の姿。後ろを向いては俺の顔に夢の国を押し付ける……。初めて尽くしの、ありとあらゆる茜の個人情報が俺の脳内に焼き付いて離れない!
<ヒロ君ダメだ。壁のカレンダーに思いっきり『あの日♡』っ書いてあるわ>
俺に取り憑く茜の親父の霊が半分諦めた顔で笑った。
――何故このオッサンは嬉しそうなんだ!?親子共々頭が吹っ飛んでるぞ!?
<ヒロ君10代でパパ確定かな♪>
――おい!呑気なことを言ってる場合か!お前の娘だろうが!!
<歩美ーー!早くしないとヒロ君が犯されちゃうぞー!!>
もう1人?取り憑いている歩美のオヤジの霊がニマニマと笑い出した。
――こっちのオッサンも楽しそうだな、おい!
ガシャーーーン!!
その時、窓ガラスを盛大にぶち破りターザンの如く何者かが部屋へ突入してきた!
「先輩……浮気はダメだって言ったのに……」
その手には草刈りで使う手頃な鎌が握られている。何食わぬ顔で部屋へ突入してきたのは勿論歩美だ!
「歩美!丁度良かった。助けてくれ!」
目を見開き在らぬ誤解をする歩美に、ダメ元で助けを求める。
<歩美タン来たーーーー!!>
オッサン達は俺の中でちゃぶ台を叩き、盛大に盛り上がっていた。
「先輩は私のモノ……貴方には渡さない」
歩美の持つ鎌が茜を狙う。茜は素早く躱すが、鎌が俺のチョモランマ(過度な表現)の直ぐ側をかすめた!
<茜タン!ヒロ君のチョモランマがSOLD OUTしちゃうぞ!頑張れ!!>
<そこだ歩美!刈り取ってもう少し大きいの着けてやれ!>
――待て待て!娘達を止めろ!!俺の世界遺産(価値無し)が無くなるぞ!
オヤジ達は新聞紙を丸めて愛娘を応援し始めた。
「私の方がヒロ君を愛しているの!!」
「それでも先輩は私のモノ……!」
骨肉のキャットファイトが繰り広げられる最中、割れた窓ガラスから手投げ弾が放り込まれた……。
「!!」
プスーッ!!っと手榴弾から煙幕が吹き出し、部屋の中は一瞬で何も見えなくなると何者かが部屋へと忍び込む!
……鎖が外れる感触がする。俺は慌てて身体を起こす……が、首の後ろを打たれ意識が朦朧とした。
ふわりと俺の身体が宙に浮かぶ。窓から颯爽と飛び出す感触がしたが、俺の身体は依然として言うことを聞かない。
「大丈夫か?ヒロ……」
優しい姉の声がする。この声を聞くと妙な安心感に包まれる。
「続きは私の部屋でしような♡」
ニヤリと笑う姉の顔。しかし、俺はそこで気を失った…………
<あ、映像切れちゃった……>
バンバン!バンバン!
<ちっ、叩いてもダメか。ヒロ君起きろー!!オジサン達続き見たいぞー!>
俺の意識は混濁し、走馬灯の様にすこし昔を思い出してた……。
いきなり色々説明不足でぶっ飛ばしましたが、次回より徐々に説明致します。すみません。
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