以外と考えています
サッカーは三角形を作るスポーツと言われている
相手ディフェンス一人に対して見方三人がそれを囲むのが基本だが、そうそう人数が足りるわけでもなく、二人で三角形を形成する必要が出てくる。ボール保持者Aが見方Bにパスをし走る、数メートル先に走り込んだAがCの位置でパスを受け三角形を作る、これがいわゆるワンツーと言われる動作だ。
サッカーの反則は、手でボールに触れる(ハンド)、攻撃時キーパーとディフェンスの最終ラインの間でボールを受けてはならない(オフサイド)、相手を手で押したり蹴ったりする、この三点ぐらい押さえておけば出来てしまう簡単なスポーツである。
にもかかわらず、我々はこの三角形を愚直に作り続けるスポーツに夢中になってしまう。
その要因として屋外で行うスポーツであるため雨風の影響を受ける、雨が降ればスリッピーになり滑るようにボールが走る、風が追い風なら思いもよらないロングシュートが決まったり、向かい風なら風の影響の無いグランダーのパスを選択する。また、ある程度のフィジカルコンタクトは認められているため反則スレスレでプレーが行われる。
要するに、不確定要素が多分に有りどう転ぶか解らない中で最善の三角形をひとつふたつ、みっつと探し続けているワクワク感がそこには有るのである。
これ等を踏まえてサッカーを見ていくと非常に面白い。
それでは、中盤の選手が得点するまでを見ていこう。
前半二十分、自陣中央にてボールを受ける、まだまだ様子見感が強く前線に動きがない、前線でボールを敵から離れた所に走り受ける動き、または同時にそれをおとりにした動きがあるとパスが出しやすい、しかし、マンツーマンでマークが付いている今前線に出すのは安直すぎる。私はセンターバックにパスを出しバックステップ1m前進する、センターバックは小気味良くノートラップで返してきたまだ敵が背後に来ていない証拠である、二三回それを繰り返すと3m程前進し前線とやり取りしやすい位置に来る、そうなると相手も出ていって奪うかパスコースを限定する、またはまだ待つといった判断を迫られる。前線から作れないなら後方から作るまで、餌を巻いていたのだ、何回目かのショートパスが私に収まろうとした瞬間敵が走り出すのを感じた、食った、私は身体を開き横にボールを流す素振りを見せる、瞬時に背後の敵は足を止める、私はそのまま足首を内に曲げセンターフォワードにボールを流し込んだ。オフサイドポジションで様子を窺っていた彼が降りてくるのを敵の向こうに確認していたのである、私から彼まで約35m軽くバックスピンをかけたボールはスリーバウンドでスピンがほどけふわりと彼の足元に転がった、細長い三角形である。入れ代わられたディフェンスが背後から激しく当たっていく、しかし彼はうまかった自分から身体を当てる事でバランスを保ち受け身ではなく能動的なフィジカルコンタクトにすり替えたのだ、勿論私には解っていたプレーである。ボールが彼に収まった、攻守のスイッチが一気に入る、敵を背負った彼が時間を稼ぎ周りの選手が動き出す、彼は左手をフリーで持ち上がるボランチに預けるサイドバックが全力で駆け上がった。それをおとりにしてセンタリングをあげても良かったが、中がまだ手薄だ、ゴールラインギリギリにボールを転がす、二つ目の三角形だ。走り込んだサイドバックは中にドリブルする選択をする、それを見て私はゴール右手に走り出した、40m程の全力疾走である。私の左前方の彼がマークを外しニアサイド走る、グランダーのパスを彼はインサイドでミートする・・・
こぼれるならここだ。
見事、これを流し込んでゴール、三個目の三角形である。
狡猾に作った三角形、練習が出た三角形、ガッツで作った三角形、色々な三角形を意識しながら見るのも楽しいですね。
そうだ、サッカー場に行こう。