1.喫茶店で珈琲を飲む男
俺の名前は雨宮出雲、当年とって34歳。
好きなものは珈琲とたばこ。
今日もぷかりぷかりとたばこを燻らせ、珈琲を飲んでいる。いつもは近所のカフェに行くのだが、天気のいい休みの日は少し遠くに来てみるのも悪くないと思い電車に乗って海辺のカフェにやってきた。
朝9時オープンで開店と同時に入店。客は俺しかおらず、店の雰囲気はJBLの大きなスピーカーの間にグランドピアノが置いてある。スピーカーからはjazzが流れており雰囲気は申し分ない。
他の客が入店すると鈴の音が聞こえてくる。客は3組くらいやってきたみたいで、店内も少し賑やかになってきた。
トイレに行こうとしたら、ストレートで長い髪の女性の後ろにハンカチが落ちていたので
「ハンカチ落としてましたよ。」
と拾って渡してそのままトイレに向かう。恥ずかしながら小ではなく大を済ませた俺は席に戻った。すると5分ほどしてから店員がやってきた。
「こちら先程あちらに座っていたお客様からのご注文です。」
と甘そうな苺のパフェを置いて行った。俺はさっきハンカチを拾って渡した女性の席を見るが、既に女性が会計を済ませたようで既に女性は店を出た後だった。その時『あれ?知り合いの女性だったか?』と自問自答したが、相手の顔もはっきり覚えておらず、やけに白いワンピースに髪の長い女性だったことくらいしか覚えていなかった。
はてさて、これはどうしたものかと少し考えた。まだ大学生だった頃、母親からは『物をくれる人は必ずしもいい人なんじゃないんだからね。』と言われたことがある。まぁ、甘いもの好きだから、アイスも溶けてしまいそうなので食べてしまおうと思った。
「甘い・・・。」
久しぶりにパフェを食べた。口を拭こうとスプーンの下に置いてあった紙ナプキンを取って口元に・・・
「?????」
紙ナプキンの裏に
パフェをくれた女性であろう人の文字があった
ハンカチ拾って頂きありがとうございました。お願いしたいことがあるので連絡下さい。待っております。連絡先は・・・
紙ナプキンには上記の内容と一緒に電話番号が書かれていた。
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