結果待ち -*-
それは採用結果が発表されるまでの数時間。
何もやる事の無い三人は、宿舎の一室に集まり、無邪気な談話をしていました。
そして、話題は自然と三号機に残る疑問へと移り代わっていったのです。
「そういや、何で萩原は、無線連絡使わへんかったんや?」
唐突な川辺の発言ですべてが始まった。
「もしかして、通信機構壊れとったとか?」
「えっ、それは僕が聞きたいですよ。皆さんどうやって連絡取り合ってたんですか?」
質問を質問で返すとはこの事だ。
「それはさあ、配布された資料に書いてあったじゃん」
「あれに書いてあったんですか? ほら、高島さんが流した操作説明も雑で、僕が単に聞き逃しちゃっただけだと思って……」
躊躇する、萩原、明らかに様子がおかしい
「確かに通信は雑だったよね。でも、萩原くらいだったらちゃんと事前に操作の確認してそうだけど」
「それがーっ……」
「何やモジモジして」
「僕資料忘れちゃって……」
話を聞く二人の頭から「!」が噴き出した。
先程貰った資料をどうやれば忘れるのか。
「急に呼ばれたもんだから、慌てちゃって。自分の席に置いてきちゃったんです」
「そら大変やなー、あれ結構重要そうやし。それに情報漏洩とかもあるやろ?」
「あー確かに、漏洩はやばいねー。それにあれだけでも暇潰しになると思うよ」
「えっ、ちょっ、僕、取ってきますね!」
その後、勢い良く部屋を飛び出す、萩原の姿はみるみる内に小さくなっていった
「以外に抜けとるんやなー」
「小心者なだけだと思いますよ」
「そうか?」