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作戦会議

 隊長から一通りの説明を聞き終えた後、暫く無言の時間が流れる。

 本来サイクロプスにはリミッターがつけられており、プログラムを使用する事でリミッターを任意解除する事が出来るようになっているらしい。

 大体の起動性能が二倍になるという事で、普段のジャンプ力が2メートル強なら4メーター以上まで飛び上がる事が可能なのだという。

 

 無言の空間を切り裂く様に隊長から通信が入った。

 

「で、どうするの?」

「隊長、このキューブの上って登れないですかね? 確か5メートル四方だって言ってましたよね」

「う〜ん。流石にキツイかもしれないよ、ハイジャンプでも4メートルくらいしか飛べないから……」

 

 やはり、隊長の発現は厳しいという物だった。二倍そこそこで届く距離ではないらしいのだ。他の方法を考えるべきか。

 

「解りました、他の方法を考えま……」

「あっ、ちょっと待って。登れれば良いんだよね、少し考える時間くれないかな?」

「ええ、それは構いませんけど」

 

 その後隊長は通信を切るのも忘れて考え始めたせいで、俺達は休憩時間中隊長の念仏

 じみた独り言を聞く羽目になった。コクピット内に奇怪な言語が飛び交い、遙かに理解できる範疇を超えていたので、何に突っ込みを入れたらいいのやら……。

  無線ぐらい切ってくれればいいのに……。

 

「何やっちゅうねん、あーウザイわ……」

「隊長に聞こえたら大変ですよ。推薦で前線に移送されるかも」

「あっああっ、そら大変やわ。少し静かにしとくかいな」

 

 隊長が念仏を初めてから早二分くらいの時間が経過しようとしていた。今だ隊長の中で良案が出ているわけでもなく、今

 だ独り言はコクピット内に木魂していた。

 

「ノイローゼになりそうやわ。マーキスと良い、高島ちゅう科学者と良い。この施設内には真面な人間はおらんのかいな」

「そんな事言わない方が良いんじゃないですか? 隊長だって俺らの為に考えているんですから」

「せやかて……」

「でもあれかー。Rコマンドを使ったら壁に激突するし」

「――Hコマンドだけじゃ届かないし……」

 

 隊長が考え始めてから、見る見る時間は経過して行き、今までブラックだったディスプレイの映像がスタート地点の映像を映しだした。

 

「何や、もう五分たったんかいな」

「隊長、答えはまだ出ませんか?」

 

 結局時間内に答えは出なかったらしい、俺はその事に焦りを感じながら、隊長を呼ぶ声のトーンも次第に大きくなっていった。

 

「体長!」

 

 俺は三回ぐらい大きな声で隊長を呼んだだろう。

 三度目でようやく気がついたらしく、今まで念仏を唱えていた隊長が正気に戻った。

 

「ごめん、ごめん。でっ何かなー」

「作戦ですよ、答えは出たんですか? 登れそうなんですか?」

「うん、やってみようね」

 

 隊長の発言は簡素極まるものだった。詰まる処答えが出ていると受け取って良いのだろうか?

 何処に転んでもこれが最後なのだ。人としてゲーマーとして最後の試合くらい一矢報いたいものだが、隊長次第か……。

 やがて、コクピット内にブザー音が鳴り響くと、俺達のサイクロプスは起動可能な状態となる。

 ブザーが鳴り終わった事で最終ラウンドが開始されたという事を俺の心の中に伝えていた。

  試験のクリアラインがどれくらいの高さなのかは分らない。仮に一勝する事で入隊出来るというのならこの試合は落とす事が出来ない。

  だがそれも難しい話だ。敵との兵装の違いは歴然で、更にこの狭い通路の多い地形は爆発物が大いに威力を発揮する。そんな中で正面から突っ込んで勝機などあるわけが無い。

  掌の汗も大分落ち着き、試験開始直後からキリキリと突き刺す胃の痛みも今では大分落ち着いた。

  今敵が目の前に出てきた処で驚きはしないだろう。ココまで来た以上最後まで戦ってやる!

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