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TSC――操作説明

―TSC操作説明―

 

 TSCの基本操作はキーボードの左右に配置された、操作パネルで行われる。

 まず左手の操作だ、基本的に左手はTSCの移動にのみ使用される。

 

 小指→パネルボタンを押している状態のみ歩き ※それ以外は常に駆け足である

 薬指→左へ移動 ※中指と組み合わせる事で左前に前進する

 中指→前進・後退

 人差し指→右へ移動 ※中指と組み合わせる事で右に前進する

 親指→ 跳躍

 直、この操作方法はFPS、あるいはTPSといわれるゲームジャンルに酷似しているが、あくまでも行われる試験は現実に起こっている事である。

 壁などにTSCが激突した場合転倒する恐れがある。TSCが転倒した場合、バランス確保から起き上がるまでに多少の時間が掛る、更に転倒中は起き上がるまでに一切の操作を受け付けないので気を付けるように。

 

 続いて右手側にある操作パネルの説明である

 小指→仲間との通信 ※パネルボタンを押している間のみ有効

 薬指→各種グレネードの使用

 中指→兵装固有行動 ※スナイパーライフルなどが兵装の場合スコープを覗き込む

 人差し指→トリガーボタン ※兵装の使用・射撃など

 親指→兵装の変更 ※メイン・サブの切り替え

 直、視点の移動、照準を定めるなどの行動は、パネル中央のトラックボールで行う。

 

 俺は一通りの操作方法を確認すると、自衛官からもらった資料を閉じた。

 丁度高島もアナウンスによる操作説明を終えたみたいだ。結構大雑把に、しかも早口で説明していたため、資料無しでは到底内容全てを理解できそうにない。

 

「それじゃね、次に君達のプロファイルを作成するよ」

 

 高島はまた喋り始めると、操作説明が第二段階に移った事を俺達にしらせた。それにしてもプロファイルって……。

 

「プロファイルっていっても深く考えないでくれるかね。簡単な射撃の癖をTSCにインプットするだけだから」

 

 射撃の癖? 高島がアナウンスを一度切ると、今までブルーで表示されていた前方のスクリーンが急に切り替った。

 映し出された光景は今まで見た事が無い平野で、左右が壁に覆われていた。だが、ココがどういった場所なのかは容易に想像ができた。

 甲高いチャイム音がまたコクピット内に鳴り響くと、映し出された画面には白と黒の縞模が描かれた、人を模した的が横一列に並んでいた。

 

「これから君達には、この的を打ち抜いてもらうよ。私が合図したら、トリガーボタンを押してくれるかね」

 

 やはりそうだ、今コクピットに映し出されたこの映像、間違い無い、TSCが映し出している映像。

 俺は、暫し、日本の最新技術に好奇心に駆られていた。早く操作してみた、人としての探究心が心の底から湧き出てくる感覚を感じた。

 

「それじゃ初めてくれるかね」

 

 高島のその合図と共に、左右から激しい銃声が響き渡った。丸で雷が大地を走るような騒音に、俺は慌てて、自分のトリガーボタンを押した。リズム良く三点バーストで射撃を開始する、俺のTSCは、碌にリコイルコントロールもしないために、的の遙か上を撃ち続けていた。

 慌ててトラックボールを転がすと、照準が徐々に下がり、何発かの銃弾が的に当たると、縞模様に的は虚しく地面へと倒れた。

 辺りを包む、大演奏会は、TSCの弾切れで遭えなく終了した。

 

「さて、私から説明する事は異常だ。次に試験のルール説明だがね」

 

 ――少し甘かった、人を殺すかもしれない兵器に少しでも浮かれた自分が情けない

 銃声にはどうやら人を恐怖に陥れる潜在的効果があるようだ。トリガーボタンに手をかける俺の手には恐怖から汗がベットリこびり付き、足の膝が面白いくらい笑っていた。

 だからといって、ここで立ち竦むわけにはいかない。試験に落ちれば生身で前線、それだけはさけなければならない。生きて家に帰るために。

 

 高島が通信を切ってから、暫くして、またコクピット内にチャイム音が放たれた。このアナウンスで試験の全貌が愈々わかるわけだが。

 

「さて、諸君。高島に変わりテスト内容は私自ら直々に話すとしよう」

 

 威圧感のる、低い声、間違い無い、今アナウンスを流しているのはマーキス中将だ!

 

「一度しか言わないので良く聞くように」

 

 よりによってこの声をまた聞く羽目になるとは、出来る事ならもう二度と聞きたくない声をまた聞く羽目になるとは。しかもじっくり聞く羽目になるとは、今日は人生始って以来の厄日だ。

 

「諸君にこれから取り組んでもらうテストはチームデスマッチ。単純に機体を動かし、相手側よりも先に敵を殲滅すれば勝ち。いたってシンプルなルールだ」

 

 チームデスマッチ、って事は単独で試験を受けるわけではないのか。

 

「諸君のチームメイトは同じ演習施設に居る四人だ。それに加え今回は諸君の戦闘をサポートするリーダーを一人加える事になっている、まあ隊長になるわけだが、くれぐれも口答えをしないように」

 

 今までの理不尽が嘘のように、試験はそれなりに考えられているものだった。自分一人が個別に試験を受けた場合何処まで動かせるか分からない、下手をすれば碌な操作もできず試験が終了していたかもしれない。

 

「五対五で行われるチームデスマッチだが、試合は三回行われる。が、三本先取ではない。三回目のラウンドが終了した時点でテストは終了するものとする」

 

 これで、試験前に模擬戦が組まれていたなら他にいう事はないのだが、そこまで贅沢も言ってられないか。戦闘に長けたリーダーを貸してくれるだけでもありがたい。

 

「直、リーダーのみグレネードの使用が許可されている。諸君はライフル一本で頑張りたまえ」

「爆弾を仲間に当てて共倒れされても困るからな」

 

 どうやら、戦闘スタイルはライフル一本という淡泊なものでリーダーの命令通りに動かせれば良い様だ。

 マーキスがルールを説明し始めてから、暫くして、今まで射撃場を映し出していたディスプレイの映像が急に変わった。

 次に映し出された映像は、大きくドーム状で、五メートル程の四角い物体が正面に乱雑に置かれていた。

 

「諸君にはココで戦ってもらう。これが演習場本来の姿だ」

 

 演習場が映し出されるのと同時に、ディスプレイには訳も分からない、パラメータが存在していた。

 

「直、私のこの発言を最後に、ブザーが鳴る。そのブザー音が戦闘の合図だ、聞き逃さないよう注意してくれたまえ」

 

 歯切れの悪い、マイクの電源が切れる音が、俺の頭上で鳴った。次にブザーが鳴った時、俺は機体を動かして、戦わなければならない。相手はいったい誰なんだ? それ以上に、ディスプレイに表示されたパラメータが気になった俺は、一度畳んだ資料をもう一度手に取った。

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