秘密基地へ行こう−2
5分近くゆっくりと下降を続けていたエレベータはやがて止まり、今まで薄暗いオレンジの照明から、辺りを覆い尽くす白の照明へと変わった。
前方の二重シャッターが十字を描く様に開くと、その先にはまた道路が広がっていた。とは言え結局のところ空などない、またトンネル続きなのだ。
「どうなってるんだ、ここ?」
「僕の見解が正しいのならココは地下ですね〜」
「そんなのは分ってるんだよ、東京からそう離れてない山奥の地下に巨大な道路。自衛隊は何時から秘密基地を造ってたんだ?」
バス内は地下にある巨大な道路の話で持ち切りだ、そこら中からヒソヒソ話が聞こえてくる。そんな中で俺は乗車の際の一コマの影響で周りからまるで相手にされないわけなのだが……。
「この道路少し狭くないか?」
「本当に通れるの?」
思いのほかトンネルは狭く、片側一車線の道路は、バス一台が完全に場を塞いでしまえば、他の車とすれ違う幅すらなかった。時折通路の壁に車体を擦らせながらもバスは徐行気味のスピードで着実に前進して行く。
「おい、何だあれ……」
「ここって……地下だよね」
前方に座る学生達が一斉にザワメキだした、それと同時に中間に座る学生まで、身を投げ出して前方の様子を伺い始めたので、前方の様子がまるで伺えない。
バスのスピードは精々20キロそこそこ、まだ十分も走ってないっていうのに、もう駐屯地にでもついたっていうのか? そんなバカな話あってたまるか……ここは地下なんだぞ、こんな地下深くに建物があってたまるかよ……。
混乱する乗客を余所に、暫く狭いトンネルを進むバスは地下、巨大施設の駐車場らしき場所で止まった。周辺には俺達が乗ってきたバスと同じ型のバスが何台も止まり。前方には巨大な建物が聳え建っていた。