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モンスターズクロニクルオンライン  作者: 引きこもり貴族
4/12

第一話 その3


試験を終えて冒険者組合のフロアに戻る。


再びカウンターに戻るとミーシャが興奮気味に待っていた。

「すごいよ!まさかDランク受かるなんて!それにあの魔法すごいじゃん!」

「俺もがむしゃらでいっぱいいっぱいだったよ」

「でもこれで同ランクだね!」

「ああ、それなんだけど俺Cランクにも昇格できるらしい」

「え!?そうなの!?」


俺とのやり取りを聞いていた受付嬢さんが冷静に説明してくれた。


「はい、カケル様の放った《メギド》ですが闇系統魔法としては中級魔法となっています。

レベルとしてはC+ランクの冒険者が使うものですので実力そのものは足りていると思われます。

今回の戦闘でカケル様はLv10となりギルドへの加入条件を満たしました。

ギルドに入ることによって恩恵もありますので是非ご検討を」


そういって俺に一枚のカードを手渡してきた。

それを見るといつの間にか写真を撮られていたのか俺の顔写真が乗っている。

まあ、骨なんだけど。


これちょっとした遺影だぞ。


名前の下にはRANK D+ と書かれていた。



「お、D+」

俺の言葉にミーシャは驚いて覗き込んでくる。

「えぇ!?ってことは私より上じゃないの!」

「まじか」

「私Dだもん!なによー!一日で後輩君に追い抜かれたー!」

なんて会話をしていると


「それに関しては問題ありません。あくまで近接職としてのD+ですのでミーシャ様の様に援護タイプのDランクではそもそも基準が違います」

「あ、そうなの?」

「はい、ですのでもし比較をされるのであれば同じ近接職の方のランクが良いかと思います。

ただしカケル様は魔法もこなす中堅職ともいえるので完全に近接職と比べるとどうしても耐久負けしてしまうのでご注意を」


「なんともややこしい」

「でもこれで冒険者になれたね」

「おう!ありがとうな!って…なし崩しで俺冒険者になったけどなんで?」

「ああごめんごめん説明してなかったね。受付嬢さんお願いできます?」


ミーシャがお願いすると受付嬢さんがうなずいて説明を進めてくれた。




「はい、この世界は人間のほかに多くの種族が生きています。しかしすべてが友好的な訳ではなくむしろ人間に足して害なす種族の方が多いです。

ですので冒険者という組合があり討伐指令が下りることがあります。魔獣討伐・調査などですね。

冒険者になっておくとこういった情報がいち早く手元に入るメリットがあります。

それでも早い者勝ちですが受注しクリアをすると報酬が手に入ります。

報酬は様々ですが基本金貨ゴールドで支払われます。中には希少な武器防具等の場合もあります。

また冒険者として登録すると各地の魔獣討伐した際にそれが偶然手配エネミーだった場合自動的に報酬が組合に送られます。

それを後日改めて受け取ることが可能となっています。」


つまり登録しておくだけで魔物を倒すと経験値やわずかなお金以外にも利益があるわけだ。

それならば登録しておいて損はない。


「ちなみにランクって何の意味が?」

「洞窟にもランクが振り分けられているのでランクに応じて入れる洞窟なども変わります。上位ランクであればあるほど自由に出入りできることになります。」

「なるほど」

説明を聞き終えるとミーシャが立ち上がり俺を引っ張る。

引かれるままについていくと青白い宝石が地面に埋められていた。

その宝石は腰くらいまでの高さがあり宝石というより霊石といったほうがいいかもしれない。


「コレを触って」

「こう?」

ピトっと手の平を当てる。

触れると青白い光が放たれる



『ファエンダルを拠点都市にしますか?また拠点都市は各地の霊石に触れると変更できます』


あ、これ本当に霊石っていうのか。


とりあえず俺は拠点として登録をする。

それをすませると俺はミーシャに向き直る。


「終わったよ」

「うん!これでとりあえずはおしまい!この後どうするの?」

「んと、とりあえず防具かな。さっきの戦いで盾がダメになっちゃったしブロンズソードじゃやっぱ心もとない」

「なら買い物行こうか!」

そう言って俺の手を取る。

さらりとした気持ちのいい肌触りの羽の感触。


そんな俺達を見つめる組合の中にいる面々。

殆どが俺を睨んでる気がするのは俺の気のせい?


しかしミーシャ自身はそんなこともお構いなしに引っ張る。



ふと思った。

なんで彼女はここまで俺に良くしてくれるのだろう?

組合のメンツを見た限りでは彼女は多くの人からPTの誘いを断っていたそうだ。

それほど人気がありソロプレイを楽しんでいたのに突然初心者の俺をここまでサポートしてくれている。


もしかするとあまりにも頼りなくて助けてくれるのか?


なんて考えていると武器やに到着する。


「ここなんかどう?」

「んと…?なにがあるのかなっと」

NPCに話しかけて商品を見せてもらう。

目の前にウィンドウが開き某国民的RPGの画面の様に名前と料金が表示される。


ロングソード  1200G

ブロードソード 1800G

ダガー     1200G

クレイモア   2500G

バスターソード 2800G


中々に種類ある。

今持ってる武器と同等の種類で見ればブロードソードが最適だろう。

ロングソードの方が射程と威力が高いがその代わり重量がある為早く振れそうにない。

元々鈍足気味な俺のスケルトンだったら速度をこれ以上落とすのはダメだろう。


俺の手持ちの資金を見ると3200Gと表示される、

うん、これなら足りるな。


俺はその足で隣の防具店へ向かう。

防具を見る

残った金で買える範囲で装備を整える。

防具は中々安いのがあったので盾を買い

現在装備してるものを売ってそれを足しに鎧を買う。


改めて装備を済ませてステータスを確認する。

カケル Lv10


 HP405 SP53

 POW28 DEF19 

 SPE18  IN27

ブロードソード+5 アイアンプレート+3 アイアンシールド+2



「あのさミーシャ聞いてもいい?」

「ん?」

「この武器横にある+5って?」

「それは武器による攻撃力補正。剣に+5って書いてあるならカケルのPOWの数値に+5したのが今のカケルの攻撃力ってこと」

「なるほど、武器によって上乗せがあるのか…てことは武器無しで殴ってもそれなりに火力あるの?」

「そうなるね。でもおすすめはしないけど。至近距離で魔物の攻撃を受ける危険も羽が上がるわけだし」

言われてみればそうだ。

試験で戦ったフロストスパイダーみたいに当たった時点で大打撃な奴もいるんだ。

ゼロ距離で溶解液とかシャレにならん。


「さてと…これで一通りだな。ほんと何から何までありがとうな」

「ううんいいよ!」

と彼女はにこやかに答えてくれる。

しかしその後何かを考えたようにモジモジし始める。

かわいい。



「えと…その、代わりと言ったらなんだけど…」

「ん?ここまでしてもらったんだから言ってくれよ」

「えとね…その、ふ、ふりぇんどになってください!!」


噛んだ。


顔を真っ赤にする

「フレンドになってください!」

そういって手を差し出してくる。

絵的に告白に見えなくもない。


周りからの視線が若干突き刺さる。

ガン見とは言わないがチラチラとこちらをうかがっている。


「だ、だめ?」

俺が考え事をしてるのを誤解したのか涙目でこちらを見る。

「あ、ごめんびっくりしてただけ。むしろ喜んで俺からお願いするよ」

そういって彼女の翼をそっと握る。

多分ここが手になるはず。



握手を交わすと嬉しそうに表情を綻ばせる。




この出会いが《モンスターズクロニクルオンライン》すべてのプレイヤーを巻き込む騒動

それらを駆け巡るもっとも付き合いの長い仲間となるのだった。





一話はあっさりで行きましたが二話はちょっと長くなります。

丸々一話を書ききったら分けて投稿するスタンスなので、ちょっと遅れます。

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