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異世界クラフト  作者: ぢたま
一章 使徒
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一章 使徒02 - リィート登場

異世界クラフト 一章 使徒02 - リィート登場


 もちろんそれは俺ではない。俺との距離は十キロ近くある。

 さすがにこの距離で俺を感知することは不可能だし、そもそもその圏内に餌となる生き物は大量に存在する。

 なんにしても、今グリフィンが見つけた餌は俺のことではない。

 俺は、グリフィンの捕獲対象となった生き物にマーカーを設定する。

 グリフィンのときと同様に、リアルタイム映像とライブラリが表示された。

 もっとも概要のほうは確認するまでもない。

 なぜなら、もともと俺がこの場所に目標設定をした理由そのものだからだ。

 見た目は人間に近いが、長い耳と白人とは違った透明度の高い白い肌、過ぎるほどに整った美しい容姿。

 間違いなくエルフの女性の特徴であった。

 目の前にいるグリフィンに驚いている様子だったが、すぐに杖を構えて呪文を唱えていた。

 同時に情報が表示されて『マジック・シールド』が展開されたことがわかる。さらに情報の中には名前の欄があり、エルフの女がリィートという名前であることが表示されている。

 さらに情報の中には未来という項目があり、その中にはリィートはグリフィンによって捕食されると記載されている。

 この『コズミック・スフィア』の中の世界において、歴史は始まったときから終焉までが毎回繰り返され続ける。なので、場所を特定すれば、その場所で起こる未来の出来事を知ることは簡単なことだ。

 逆に言えば、俺が介入することでその未来を変えてしまうことも簡単にできてしまうということになる。

 もちろん俺は、最初から介入するつもりでここに来ている。

 リイートが攻撃呪文を唱えた。

 電撃の槍がグリフィンに命中したが、これはグリフィンをより一層刺激するだけの結果になった。

 森の中だとグリフィンの巨体は邪魔になり、その大きな翼は障害にしかならないが、だからといってその強靭な肉体が弱体化するわけではない。

 経験を積んだ戦士や魔法使いでパーティを組み、グリフィンの体力をちまちま削っていけばなんとかなるかもしれないが、リィート一人の力ではどうにもならない。

 なので、捕食されるという未来にたどり着くことになるわけだ。

 ちなみに解説が遅くなったが、この世界におけるいわゆる魔法は外部干渉によるものだ。

 俺の作った魔法の法則に従って『ゴッド・マザー』が干渉を行っている。

 つまり、すべての魔法は俺の管理下にあるということになる。

 そして、リィートが使用可能な魔法の中に、グリフィンを一撃で斃すことができるような魔法はなかった。


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