二章 失われた歴史と未来と02 ― 全裸美少女
異世界クラフト 二章 失われた歴史と未来と02 ― 全裸美少女
俺はベッドから出ると、昨日入手した服に着替える。
今日は仕方ないが、やはり着替え用に数着の服は、リィートの分も含めて入手しておく必要があるだろう。
身支度をすませた後、俺は床の上に脱ぎ散らかしたままになっている服を拾い上げて、真っ裸で寝ているシヴィラに向かって放り投げる。
上着は体にかかったが、パンツが顔の上に乗っかった。
この状態で、どんな顔をして起きるのか見てやろうと思っていると。
「うにゃうにゃ。あたいは、まだまだ食べられるぞぅ。なめんなぁ……うにゃぁ……」
へんな声を立てながら、寝言を言ったあとお尻の辺りをボリボリとひっかいて、また寝てしまった。
どうやら、このくらいで起きるようなタマではないらしい。
いったい、どんな夢を見ているのか非常にわかりやすかったが、別に興味などないので、別の手段で現実の世界に戻って来てもらうことにする。
俺は黙ったまま近づくと、爪あとの形に少し赤くなっている辺りを蹴飛ばした。
「ふんぎゃっあぁぁぁ!」
けっこう痛かったらしく、シヴィラは大きな声を上げて飛び起きた。
起きろと命令すれば、シヴィラはそれに従って起きざるをえないのだが、ムカついていたので少しばかり手荒な手段をとったのだ。
「いたいっ、いたいっ」
何が起こったのかすぐには理解できない様子で、素っ裸のままシヴィラは辺りをキョロキョロと見回しながら喚いていたのだが。
自分のお尻が赤くなっていて、俺がすぐそばに立っていることで、何をされたか察したらしく激しく抗議を始める。
「暴力反対! か弱く可愛い女の子のお尻をけとばすなんて、いけないことだぞっ!」
色々と突っ込むところが多すぎて手間がかかりそうなので、俺はその抗議を無視することに決める。
「まず服を着ろ。それから、なんで俺たちの部屋にいるのか、理由を話せ」
俺は今度は命令する。
すると、シヴィラはぐぬぬとなりながらも俺の命令に従った。
「あんな狭い部屋で寝れるわけないでしょ。あたいは、魔族の王女なんだから」
服を着終えたシヴィラが話す。
魔界の王女だかなんだかは知らんが、他人の金で泊まっておいて随分と偉そうな言い分である。
「で、その王女様がなんだってこんな場所にいる? とっとと帰って贅沢な暮らしを堪能すればいいだろ」
俺は色々と言いたくなる衝動を押さえて核心的なツッコミをする。
すると、シヴィラは急に固まった。
「そ、それはだね……あれですよ……色々とあたいにも事情というものがですね……」




