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異世界クラフト  作者: ぢたま
一章 使徒
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一章 使徒24 - シヴィラ戦決着

異世界クラフト 一章 使徒24 - シヴィラ戦決着


 それでも剣を手放さなかったのは大したものだが、リィートが剣を踏みつけたらもう動かせなくなってしまった。

 これで完全にチェックメイトである。

 シヴィラに反撃の手段はなくなり、勝負は終わった。

 この後、どうするかと見ていると、シヴィラはその場に仰向けにひっくり返って大声でわめき出す。


「あたいの負けだ。さぁ殺せ、今すぐころせ!」


 その様子を見ていると、なんというか、子供が駄々をこねているようにしか見えない。

 それはそれで面白いが。

 その様子を間近で見ていたリィートは、呆れたといった感じで俺を見ながら肩をすくめる。

 俺は右手を上げて後を引き継ぐという合図を送り口を開く。


「さて、お前さんは負けたわけだが、俺の好きにしていいということだな?」


 確認するための言葉であったが、当然シヴィラはそうはとらなかった。


「そうだ。あたいは負けたんだ。これ以上、うだうだ言ってないで、とっとと殺せ。さぁ殺せ」


 どうして、その結論しかないのだろうかと思うのだが、もちろん俺がその言葉に従う必要はないので、やりたかったことを実行に移すことにする。


「では、同意があったとみなして、今この瞬間からシヴィラという存在すべてが、俺の完全な支配下に置かれることになる」


 断定するように話すと、さすがにシヴィラも想定と違うと気づいたのかもしれない。


「あっ? どういうことだ。あたいをどうしようってんだい?」


 ここでようやく俺の顔を見てそんなことを言ったが、もう遅い。

 すでにシヴィラは、俺の支配下に置かれている。


「まずは、立て。その頭が痛くなるような服を着替えたら、食事にするぞ」


 俺が命じると。


「かしこまりました、ご主人さま」


 シヴィラは立ち上がりながら自動的に答えて、慌てて自分の口を抑えていた。


「あ、あたい。一体どうなってるの?」


 そこらあたりの疑問に答えるのはやぶさかではないが、はっきりいってこの場所はゆっくりと話すことには向いていない。

 なので、シヴィラの言葉は無視してリィートに話しかける。


「街に帰るぞ。ふらついてるシヴィラを支えておいてくれ」


 俺はそう言ったが、言い終える前にリィートはシヴィラを支えていた。

 そして、俺はマップを開くと“呉服屋のぞみ”の近くに転移する。

 ラン・コットに話して、シヴィラに合う服をみつくろわせる。

 ド派手な服は宿には運ばせずに処分させることにした。

 俺と関係ないのなら別だが、俺がシヴィラの支配者になった以上は頭が痛くなるような格好は二度とさせない。

 一緒に歩く俺が恥ずかしいからだ。

 すぐに騒ぎだそうとするシヴィラを俺が命じて強制的に着替えさせると、三人で食堂に向かう。


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