いろいろ違っていろいろいい。
職場では流石にできないが、私の基本スタンスは広めの炬燵机で胡坐。
キーボードをカタカタ叩いている。
肩に登りたがるかぐや対策に[どてら]を着ているので上半身はそれほどでもないが、手が冷たい。仕事の持ち帰りは許可されていないため、仕事ではない。ながら作業的についているTVは意識したときはいつもCMのような気がする。現に今も犬の鳴き声をあわせてナンバーワンでワンダフルなんて宣伝状態。豆柴はかわいいが、最後まで何のCMかわからなかった。どうにもTVを見るのには慣れず、消した。
「なんとかかぐやが持ち運びできるタブレットができればな。」
私がウンウン唸って考えているのは移動用かぐや専用タブレットである。連絡したりするだけの20字だけのちっさい画面にするのはいいが、キーボードというか入力ボタンは小さくできない。そこまで小器用な操作を望むのは酷だろう。というわけでなやんでいるのである。
猫はときどきとてもまっすぐに何かを見ている。私はその視線の先に何が写っているのかとても気になるのである。彼らにはこの世界がどう写っているのか?とは言え人間くさくなってしまったかぐやの感想が猫代表の意見としてしまってよいかと言われればなんとも言えないが。
小型カメラをつけさせてもらえば、何を見ているのかはわかるかもしれないが、どうしてそれを見ているのかはわからない。
ともあれ、そんなことを考えていたら、当の本人がやってきて、私の体にスリスリしていくと、炬燵に潜り込み天板と足の間から顔を出して
私の胡坐をかいた上に座り込む。前から思っていたのだけれど、どうしてわざわざ一度炬燵に潜るのだろう?普通に太腿のほうからつまり横から乗ってくればいいと思うんだけど・・・。
「ねぇかぐや、こっちから乗ったらいいんじゃないの?」
直球で聞いてみると、かぐやは体と頭を横に傾けた。
疑問を感じたというかわからないことがあると人間のように首を傾げようとするのだが、何故か体も一緒に動いてしまうようで、そうかわいい。彼にとっては足と天板の間をなぜくぐらないのかわからないらしい。そこに狭いところがあるから。みたいな登山家のような境地だろうか。私は足の中のかぐやを撫でてやる。耳の裏、目と鼻の間、顎下。
まだまだ彼のわからないことがいっぱいでもっと知りたいと思う。
また初詣のときのように出かけてみようか。




