かぐやの憂鬱 ON THE OTHER HAND1
この頃、かぐやの様子がおかしい。寂しげなしょげてる姿もかわいいのが困るところだが、食欲も無いようでどうにも心配でならない。仕事を終えて帰宅すると、玄関前で出迎えてくれるのは変わらずなのだが、トボトボと歩く足取りもどこか重たげである。
「かぐや、体調でも悪いの?何か体に悪いものだしちゃった?病院行く?」
晩御飯の進まない彼に問いかけると彼は横に首を振った。
んー、どうにも深刻な悩みの様である。猫ってもっと単純な生き物だと思うんですけど・・・。つっついたり、引っ張ったり、撫でたりして弄っていると、
フーと音を立てながら毛を逆立てる。
いつもより力を込めてタブレットを叩く
[ぼくがなやんでいるのに]
「じゃあ、何を悩んでるのか教えてよ。」
そう言って、膨らんでいる彼を構わず抱き上げてなでる。
次第にポツポツと打ち込まれる言葉に驚く。
なんという勤労猫。ごめんよ、ごはんが安心して食べられるならゴロゴロするものだと思っていました。
「まだ何ができるかわかんないけどさ。帰ってきたら私の相手をしてっていう約束もしてくれたらありがたいんだけど。」
これは紛れもない本心である。どうも休むということが下手な私は放っておくとあっぷあっぷしてしまうのだが、かぐやと居ると悩むのが馬鹿らしくなったりする(彼の名誉のために言っておくが、決して馬鹿にしているわけではない。)
「まずはそれからしっかりやってみたら駄目かな?」
[ぼくがやるようなしごとじゃないけど]
[けいやくだししかたないな]
「はは、こいつめー調子のいいやつだっ!」
ベッドの上でじゃれあった私達は知らず深い眠りについていた。




