左義長
本日は左義長である。朝からちらほら降る雪に大はしゃぎだったかぐやはぐったりとしていて、私は苦笑する。2日に書初めを行わなかったが、注連飾りなどを焼き、送るために紙袋に入れて準備する。
コートを着込み、フードにかぐやを入れて出発する。
歩いて10分ほど行った田んぼでは青竹が組まれている。意外と大きくてしっかりとしている。紙袋を傍に置いて点火を待つ。周囲のご年配の方々が「若いのに珍しいねぇ」とか「日本の風習をよく知ってるのねぇ」と言ってお餅やらみかんやらを手渡してくる。ありがとうございますといっているうちに両手の袋がいっぱいである。
夕方に早い時間ではあるが、すでに薄暗くなっているところに火がつけられる。周囲を煌々と照らし始め、パチパチと竹が爆ぜる。
竹に刺してお餅を焼いて食べる。かぐやは正月に大変な目にあっているので嫌がったが、かぐやの一口サイズにちぎってあげるとおとなしく食べた。
「これも一年の健康を願うのよ」
家に帰った私は愕然とした。両手の袋に余るお餅。
みんなも食べ飽きてくれたんじゃなんて邪推してしまうほどに。
まともに食べれば1週間はお餅尽くしである。
私は早々に諦めて誰に押し付けようか考え出した。




