表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/31

タイトルのできるまで

 私が、かぐやの日常のアレコレについてまとめている手帳に、妙な落書きがされているのを発見したのは、かぐやに言葉を教え初めていくらか経ったころだった。[かぐやの日々是ワンダフルライフ]という私が書いたタイトルの上からのたくったミミズが2匹と象形文字もかくやといった何か。

言葉を覚えて浮かれてなんでも書いたのかと思った。気持ちはわからなくもないが、好き勝手になんでも書かれては困るということで手帳を持ち、かぐやの元へ向かう。

「ちょっとそこに座ってください」

 そういって私もかぐやの前に正座する。

「どうしてここに落書きしたの?」

手帳の表面を指差しつつ聞くと、かぐやが体をかしげる。これはかぐやが身につけた疑問を示す仕草だ。顔だけでいいのだけど。

「落書きじゃないの?」

 コクコクと顔を上下させる肯定の合図。大変苦労したが、肯定、否定、疑問の仕草を理解させたことで、格段にコミュニケーションがとりやすくなった・・気がする。

 極細の手帳用ペンを両前足ではさみ、書き始めたものを解読したところ、

 ・ち○や→ち○やふる

 ・犬  →ワンダフル

 ・僕  →ニャンダフル

 が正しい。

とのことのようだ。間違っていると言うのは簡単だが、私は素直に感動していた。自分なりに考えて[推量]したことに。アニメやらCMで見た情報を基に考えたんだな。たぶんち○やふるという句に合わせてキャラの名前を決めたのだろうし、ワンダフルも駄洒落の域を出ないだろう。私はしどろもどろに彼に違うことを説明したが、手帳については直さないことにした。このタイトルもまた彼についての日常だったから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ