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史上最悪な出会い

┌(┌^o^)┐ホモォです。

男♂と男♂がイチャイチャしてます。

18禁にはしてませんが、ちょっと……ねぇ?(*´д`*)

腐女子、腐男子のみカモーン(`・ω・´)

「あ、あの、桃李とうり君……。ず、ずっと、好きでした!」

顔を真っ赤にして俯く名前も知らない女の子。

この学校では可愛いと言われていた子だっけ?

どうやら僕はこの子から告白を受けているのだけれども……。

「悪いけど僕、そういうの興味ないし。そもそもキミ、タイプじゃないし。」

面倒だった僕はバッサリそう言うとその場を去る。

後ろから彼女の泣き声が聞こえる。

……本当に面倒臭いな……。



清水しみず桃李。18歳。生徒会長。

その綺麗で中性的な顔に学校の女子生徒は愚か、男子生徒や先生方もメロメロにさせてしまう。

けれど、そんな彼は性格に難アリ。

無表情で思った事を何でも言ってしまう毒舌。

あ、でも何故か人付き合い上手いよな。」

「何一人でブツブツ言っているの気持ち悪い。」

僕は隣を歩く幼馴染を横目で睨みつける。

大里圭吾おおざと けいご

僕の幼馴染で親友なのだけれども、こいつは僕なんかよりずっと口が悪い。

イケメンなのにそのせいで全て無駄になっている気がする。

……僕が言えた口ではないのだけれども。

ただ、僕と違うのは僕以外の相手には口が悪い事を隠していること。

彼の口の悪さを知っているのは、彼の身内と僕ぐらいじゃないのだろうか?

「でもお前の周りから何故か人が消える事はないよな。

うん、俺見たことねぇし。

変にカリスマなのか?いや、ただたんにモテてるだけか?うーん……。」

「ねぇ、本当にブツブツ独り言呟いて気持ち悪いよ。」

「おま…何度俺の事気持ち悪い言えば済むんだよ。

性格悪いのにばかばか告られるお前の方が、変にキモいわ!

今月入ってもう何人に告られた?」

「知らないよそんなもん。いちいち数えるなんて面倒な事僕がすると思う?」

「はっ、数えなれない程告られているってか?嫌味ですねぇ~。」

「どうやったらそんな解釈になるのか分からない。

圭吾の頭って脳みそないんでしょ?存在価値ないんじゃない?

医学部とかに圭吾の体提供してきたら?

『脳みそないのに生きていける僕の体を自由に解剖しちゃってください。

脳みそがないこと以外は普通の人間と一緒なんで!

まぁ、僕、脳みそないから人間じゃないんですけどね!!ははっ』

なんて言えばきっとみんな大喜びでキミの体、解剖しまくると思うけど?

よかったね、圭吾。キミみたいなバカが人類の大発見のきっかけになるよ?」

「何でそんな考え出てくるんだ!?お前こわっ!!」

そう言うと圭吾はハハハッと、笑い出す。

僕もつられて笑う。

僕が家族以外の誰かの前で笑うなんて、

圭吾ぐらいしかいないだろうな……。

「あ、じゃまた明日な。」

「うん。バイバイ。」

十字路に出た道を、圭吾は左。僕はまっすぐに進む。

同じマンションに住んでいるんだから、本当は圭吾も

まっすぐに帰るのだけれども、圭吾はテニスの練習があるから水曜以外は此処で

別れる事が多い。

ただ僕は今日、寄り道せずまっすぐマンションに向かって帰った

僕を憎むはめとなる。



「あのー、すいませーん。」

突然後ろから声をかけられて振り返るとそこには、身長は僕より

十センチほど高いが同い年であろう少年がいた。

「……僕に何か用で?」

「いや、道に迷って……。此処、初めて来たから……。」

そう言うと彼は少し恥ずかしそうに、頬を指で掻いた。

「あ、そう。で?何処に行きたいの?」

「グリーンハイツマンション。」

「……そこなら僕も用があるから一緒に行くよ。」

「じゃ、よろしく。」

別に用があると言った言葉に意味なんて何にも無かった。

ただ、何となくこいつにはそこに住んでいる事を知られない方がいいと

思ったから。

後で無駄だと思い知るけれど……。


「着いた。此処。」

「あ、うん。……此処か。」

彼は顔を上げマンションの中をしばらく見ていた。

「俺さ、親に勝手に決められて此処に引っ越す事になったんだよね。」

「……は?」

少し重めの……シリアスな感じのトーンで喋りだす。

「親は海外で仕事三昧だから俺、一人暮らしなんだよね。」

「……そう。」

彼は視線をゆっくりとこっちに向ける。

……畜生、こっち見んな。

初対面の奴と見つめ合う趣味なんて僕にはない。ましてや男だなんて……。

そう思うけど、何故か視線をずらすことは出来なかった。

「だからさ、わかんない事だらけだからよろしくね、お隣さん。」

「……はぁ?」

さっきまでのシリアスな雰囲気は何処に行ったのか、

こいつはいきなりにこにこしだした。

それより、何でこいつは僕が隣だと思った?

ていうか、何で此処に住んでる事が決定事項になっているわけさ……。

……落ち着け。誤魔化せば此処に住んでる事がばれるわけない。

なんせ相手は引っ越しほやほやの、バカっぽい奴だ。

「あれ?言わなかった?僕、此処に用があるだけで此処に住んでいないよ?」

「嘘つかないでよ、清水さん。それとも桃李って呼んだ方がいい?」

「……っ!」

き……、気持ち悪い!!なんだこいつ!

僕が此処に住んでいることは愚か、名前までぴったり当てやがって……。

僕はこの時生まれて初めて超能力者がいるのかと思った。

「あ、何で知っているか知りたい?それと、これだよ。」

そう言うと彼は、僕の後ろにある郵便入れと、

僕の制服の左胸についている名札を指差した。

「それだけで当てたって言うの?」

「まぁ、ね?半分勘だけど。でもさぁ、

此処に住んでいるなら『用』はないんじゃない?」

「……キモイ。」

まるでこいつに嘘をついた事を責められているみたいで、

本当に気持ち悪かった。

知らない奴に「僕、此処に住んでいるんですー。」

なんて言う程僕はバカじゃない。

「キモイって、そんな事言うと思っていなかったよ……。」

「本当の事、言っただけだからね。」

「え、あら……そうなの。やーねー。躾なってないんじゃない?」

「キモイ。」

「そんな二回言わなくたって……。」

本当の事なんだ。本当にキモイんだ。何でかなんて知らない。

女子がよく「あいつ、生理的にうけつけられないんだよね~。」って言うけど、

今ならその気持ち凄い分かる。

僕……こいつ、無理!!

「まぁ、いいや。お隣さんがこんなに美人さんなんて俺、超ラッキー。」

「は?何言ってんの?頭大丈夫?」

「全然大丈夫。むしろ絶好調。ていうか、あんた好き。付き合って。」

「初対面の奴に告白とか、やっぱり精神科行って来たら?

それか脳みそ詰めてきてもらいなよ。

え、ちょ……何さりげに手握ってきてんのさ!?

キモイキモイ!離せ!本当にキモイ!」

「ハイハイ、キモイって連呼しないの。せっかくの美人さんがもったいないだろ?」

「知るか、バカ。ていうか、本当にお願いだから精神科行って。」

「冷たいなー。」

そう言うとこいつは少し残念そうに笑う。

くそ、ムカつく……。

「あ、そうだ。俺の名前、若菜幸人わかなゆきとって言うんだ。

覚えておいてよ。」

「……ヤダ。」

「お隣の名前も知らないなんて常識が、なってないな。」

「……覚える。」

「いい子。」

ふにゃっと笑って僕の頭を撫でようと手を伸ばして来る。

僕は身を屈めてそれを回避すると、ダッシュで自分の部屋へと向かう。



『ハハッ。災難だなお前。モテすぎるっていうのも楽じゃないな。』

「……笑い事じゃない。」

『んー?いや、これを笑わない奴は人じゃない。』

「真剣に悩んでいる人を笑い飛ばすキミも、人じゃない。」

『ひっでぇ。』

あれから僕は大家を訪ねた。

あの、若菜が本当は僕の隣に引っ越してきていない事を願って。

けれども、その願いは残念な形で崩れていった。

『若菜幸人……?あぁ、若菜君ね。

確かに清水君の左隣に引っ越して来たよ?

あ、そうだ。清水君と同じ歳の子だったし、もしかしたら……。

いや、絶対清水君と同じ学校に行くね。仲良くしてあげてよ?』

大家の言葉が未だに頭から離れない。

本当に最悪だ。最悪過ぎておかしくなりそうだ……。

僕はストレスを圭吾に当てようと電話をしたのだけれども、

笑い飛ばされてしまい、逆に苛立ちが募る一方だった。

『あ、でもよ。ちょっと思ったんだけど……。』

「何?」

ピンポーン……

「ん、ちょっと圭吾切るよ?インターホン鳴った。」

『ちょ、待て桃李!』

「何さ。」

ピンポーン…ピンポーン……

『お前……その若菜と隣って言っていたよな?』

「そうだけど……。」

ピンポンピンポーン……

『じゃあ……引っ越しの挨拶来るんじゃね?』

「……あ。」

ピンポンピンポンピンポ―

「煩い!!」

僕が叫ぶとインターホンは鳴りやんだけど……、何となく分かる。

きっと、いまドアの前にいるのは……。若菜だ。

背中から嫌な汗が出る。携帯の向こうから圭吾の笑い事が聞こえる。

鬱陶しくて僕は通話終了マークとタッチする。それと同時に鳴り響く着信音。

未登録の番号……。まさか……?

僕は恐る恐る通話マークをタッチする。ゆっくりと携帯を耳へと運ぶ。

「も、しもし?」


『ねぇ、桃李。いつまで俺を外で待たせる気?』


その声を聞いた時僕は若干意識が飛かけるのを感じた。

『おーい、早く中に入れてよ。此処に居座るよ?

そしたら近所からどんな目で見られるかな?』

「ちょ……!」

僕はダッシュで玄関へと向かい、ドアを開ける。

そこには笑顔で携帯を手にした若菜がいた。


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