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メモ 魔法・法術・魔術・気功

 世界でもっともポピュラーな術式は、魔術です。魔族はもとより、人間も使うのですから当然と言えば当然なのですが。

 何故、魔術がここまで広まったのか? それは非常に扱いやすく、(少しでも魔力を保有しているのならば)誰でも行使できるからです。その上汎用性・利便性にも富み、『掛け合わせ』ができるのが特徴です。

『掛け合わせ』とは『火+風』というように、別の力を足すことです。これにより魔術は未完の技術であり、完成することのない技術と言われています。

 さて、そんな便利な魔術ですが、もちろんデメリットもあります。

 第一に、保有する魔力量で威力や精度が変わること。第二に、いくら魔力が強くても、骨子自体がある一定以上の魔力に耐えられないこと。つまり、上を目指すことはできない代わりに、横に広がる技術なのです。

 とはいえ、人間の魔力量では上限に達することは、まずありません。ちなみに、人間に『魔力』が宿っているのは、人間は神族と魔族の合作だからという説が有力です。

 さて、魔術とはどのようにして起こるのか。簡単な説明をします。

 手順は簡単で三つの行程に分かれています。


・魔力で空間を歪める。

・歪めた空間に、起こしたい現象を記述する。

・起こした現象をどうしたいのか決める。


 魔術でもっとも難しいのは二番目の行程。俗に言う魔方陣なのですが、呪文であったり印を組んだりして完成させるもので、魔術の成否は7割ここで決まります。

 以上が、簡単ではありますが、魔族が編み出した『魔術』です。


 魔術が汎用性に富んだ技術なのに対して、法術はできることの限られた技術です。その代わり、魔術では届かない域に至る術式です。

 そもそもは天地創造を成した術式なのですから、強力なのは当然なのです。しかし、法術は、たとえば闇の中に明かりを灯すことさえできません。逆に闇を濃くしたり、明かりを求めるなら火を起こして増幅する、といった大味なことしかできません。

 法術とは、環境によってできることが変わる。自然に逆らうことのできないのが特徴です。

 そんな法術は、神力(人間で言うところの『気』のようなもの)が用いられるため他種族が使うことはできません。唯一例外は、神族とのハーフ。

 余談ですが、神族は異性にだらしないという側面があります。性に開放的というか奔放というか…。

 さて法術の行程ですが、


・働きかける対象とのチャンネルを開く。

・意図するところを命令する。


 個々で神力の強弱があるので、できることは変わってきます。また、天地創造の際に作られたルールから逸脱することもありません。あるモノをあるがままにしかできない術式。人間には少々理解しにくい技術です。

 

 人間特有の能力、『気』。

 というと語弊があります。なぜなら、存在するモノすべてに宿っているからです。では、何故人間に代表されるのかというと、人間が技術として確立したからです。

 この『気』を使った技術を『気功』と言い、これを用いた技でもって魔法使いと渡り合いました。

 主に武術などを通じて体得される技術で、呼吸法・精神集中(統一)などで発現させます。用途もそれよりで、身体能力の向上、特殊な技などなど。

 体得するまでに厳しい修行があり、気を自在に操るには才能が必要となります。気功を全く使わない冒険者もいますし、武術の師範でも気功を不得手としている方もいるようです。

 しかし、冒険者で上位(AクラスやBクラス)になろうと思えば、技量はともかく、体得していなければなりません。なぜなら、あまり知られていませんが、気功の体得(もしくはそれに準ずる力の会得)が上位クラスの必須項目だからです。

 逆に言えば、必須項目にされるほど、大きな力となる技術と言うことです。


 さて、最後に異能の中の異能。世界を傅かせた魔法のお話です。

 今までお話ししました技術は、それぞれ大きな力を持っていますが、魔法の前ではどれも翳んでしまいます。何せ、魔法が可能にしなかった奇跡はありません。

 とはいえ、魔法使い全員がそんな超常の化け物というわけでもないのですが。魔法使いは個々人で、大きく分けても一族単位で別個の魔法を操ります。

 魔法とは、魔術のように歪みを生むのでもなく、法術のようにあるモノを増幅したりするわけでもありません。

『そこにそれがある世界を創る』のが魔法です。

 初歩の魔法になりますが、炎を発現する場合、炎がある世界に書き換えてしまいます。そう、世界は魔法使いの言いなりなのです。極論を言いますと、魔法使いが世界に死ねと言えば、世界は自壊するでしょう。

 さて、本編中で魔法使いをさして、『魔法士』と『魔導士』という単語が出てきました。そこを少し掘り下げましょう。

 この固有名詞は他種族により、識別のために生まれた言葉です。『魔法士』は魔法の扱いが得意で、それをもって戦う者のこと。

 逆に『魔導士』は魔法の扱いを不得手としていました。しかし、魔法を宿した道具の作成などを得意とし、長い歴史の中でその技術を体系立て『練金学』という学問を打ち立てました。

 練金学によって作成されたアイテムを『魔導具』と言い、一般的なところでは『杖』でしょうか。杖は魔法使いの補助を目的としたアイテムです。これを持つことにより、さほど大きな力を有していない者でも(あくまで魔法使いの中ではの話)大きな力を振るえたと言います。


 以上が、ザックリとしたものではありますが、世界に存在する特殊な術式となります。

 技術と言ったり術式と言ったり、ややこしく感じたことでしょう。それぞれの異能を術式。それで行ったことを技術。と使い分けているのですが、格好つけているだけなのであまり気にしないでいいです。 

 本当は、魔族の能力も紹介するべきなのでしょうが、割愛します。機会があればそちらもお話ししましょう。


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