メモ ギルドとクラス
魔法使いの王国が崩壊し、世界に『人間』の国家が新しく建国された頃。それまで反魔法使い組織(レジスタンス。なかにはテロリストもあった。)は解散し、新たに『ギルド』として再編されました。今までの魔法使いたちの統治に反抗する互助組織は、魔法使いの王国の崩壊と共に必要がなくなり、様々な職業などに特化した互助組織へと変遷していったのです。
さて、そんな互助組織で知名度が高いモノとなりますと、やはり商人ギルドや冒険者ギルドでしょう。そして、その二つがもっとも風変わりな互助組織です。
商人と言っても様々な商いがあります。単純に。武器・防具屋、宿屋、生活必需品などを取り扱っている雑貨屋。その他無数にある商いの流通が商人ギルドの主な仕事です。個人のお客様に関わることはありません。
元々は、それぞれの商いごとのギルドが乱立していました。各ギルド間でのやりとりはありましたが、それを一手に斡旋すると言う発想はなく、それでは効率が悪いので上位組織、流通ギルド=商人ギルドを各ギルドの代表合意のもと設立となりました。それはなんと、一五〇年前という歴史の浅さです。
それまでは、各ギルド、または店舗との交渉も商人としてのスキルだったということです。それらを廃止し、時間短縮をはじめとした顧客ニーズに特化したシステムの構築された背景には、魔王による争乱があります。
早さや便利さの追求によって生まれた商人ギルドは、ギルドのためのギルド、卸問屋と言えます。
また、余談ですが。冒険者ギルドを真似て、ギルド加盟店の格付けをはじめたようです。各商売毎に順位をつけ、その中で上位百選を編纂した書籍は、観光客やデートを楽しむ恋人たちの必携の書となりつつあります。
冒険者ギルドは歴史が古く、数千年は続いているのではないかと言われています。時代により名称は変わりますが、業務事態はほぼ変わりません。依頼の斡旋や訓練所、ギルド員のクラス認定です。
ギルド員になると、E~Sまでのクラス分けがされます。戦闘技術やクエストの実績で判断される目安で、世界的に通用する『資格』です。
この資格を有していると、ギルド指定のお店で五%安く買い物ができたり、訓練所で冒険に役立つスキルを格安で教わることができます。まさに、冒険者をバックアップする互助組織です。
ちなみに、それぞれのクラスの実力ですが
Eクラス:武器の扱いや魔術の行使ができる程度。一般人とほとんど変わりません。真面目に学業を修めれば、このクラスぐらいの実力は持てるのではないでしょうか。
また、ギルド指定店での買い物(買い物はできるが五%引きの優遇は不可)やクエストを受けることはできません。訓練所の利用、スキルの受講のみ可能です。
Dクラス:冒険者として駆け出しのクラス。クエストを受けることができるようになります。お使いや何かの手伝いと言ったアルバイト感覚のモノから、人里に現れる魔物・魔獣災害対策のクエストまで受けられます。
年齢制限があり、十二歳以上でなければこのクラスを与えられません。このクラスもギルド指定店での買い物(同上)はできません。
Cクラス:中堅どころ。最も多いクラス。魔物・魔獣討伐や賊の討伐など人災対策・討伐を受けることが許されます。このクラスからやっと、ギルド指定店での買い物で値引きをしてもらえます。そのこともあり、このクラスになることが冒険者の第一目標と言えるでしょう。
また、このクラスから年間五つのギルド指定クエストをこなさなくてはいけません。
Bクラス:一流。戦闘技術はもちろん知識も豊富なベテランです。魔法使いによる災害クエはこのクラスからとなります。が、魔法使い自身を討つには、やや力不足でしょう。
このクラスになると年間収入も跳ね上がります。とある引退したBクラス剣士の方は、町中の立地条件の良いところに宿を建てられたようで(ギルド指定店になってます)、それくらい金銭的余裕ができます。
Aクラス:超一流。このクラスに認定されているのは世界で二十一名のみ。魔法使いの暴動、大災害、国家レベルの大事件などはこのクラスです。Bクラスが千人長とすればAクラスは万騎長。各国の将軍の中には、このクラスを有している方もいます。
年に一度ですが、ギルド指定クエストを無償で受ける義務があります。
Sクラス:伝説級。過去から現在までで、このクラスに認定されたのは十名を数えません。勇者・英雄などと呼ばれるような特別な存在がこのクラスと言えます。過去にこのクラスに認定されたのは、魔法使いの王を討った四英雄や、魔王討伐を成した勇者など。現在は、一人が認定されていますがあらゆる個人情報が国家機密を上回る秘匿扱いとなっています。
以上が目安となります。同クラスの冒険者でもピンキリで、自分の力量に見合ったクエストをそれぞれが判断して受けています。もちろん、各クラスのクエストは『受けられる』と言うだけで『受けなければいけない』と言うわけではありません。Cクラスに認定されていても、Dクラスのクエを受けることも可能です。
クエストで勘違いされやすいのが、『災害対策』と『討伐』。対処療法と患部の切除といった、その場しのぎなのか原因を潰すのかの違いがあり、報酬も変わってきます。
今回、もっとも歴史のあるギルドと、歴史の浅いギルドを紹介しました。その他にもたくさんのギルドがあるのですが、いずれも生きていく者のために存在する『隣人』のような組織です。人間発祥の組織ですが、全種族分け隔てなく利用できます。たとえ魔法使いであってもです。そのあたりに、人間の強かさが伺えます。