メモ 種族と世界
この世界には、大きく四つの種族が存在します。
一つは魔法使い。
一つは人間。
一つは神族。
一つは魔族。
魔法使いは外見的特徴のない種族で、魔法を使えることが種の定義です。たとえば、神族であれ魔族であれ、人間や亜人であっても魔法を使えるのなら魔法使いに分類されます。現存する魔法使いは五〇家ほどです。
魔法使いというのは基本遺伝しますが、昨今では魔法の力を遺伝させないようにしています。長命で千年生きるといわれていますが、種としては斜陽です。
魔法や魔導具を封印、管理しながら細々と生活しています。人里で見かけることはほぼありません。
神族は、その名の通り神様です。もちろん長命です。かつては天地を創造したり遍く生命を作ったのも彼らです。背中に真っ白な翼と強大な能力、法術を有しています。
しかし、ある時期から世界に変革をもたらすような干渉を止め、人里離れたところに居を構えるようになりました。町中の教会に住まう者、旅をする者もいたり世界各地で見受けられる種族です。フレンドリーで、気さくなのも種の特徴といえるかもしれません。
また、聖獣や精霊なども神族に含まれます。
悪いイメージを持たれがちの魔族ですが、実際は契約に生きる義理堅い種族です。
一五〇年前に魔王を名乗る青年が現れ、幾人かの魔族と魔獣や魔物で構成された軍を率いて世界に戦争を仕掛けたのも、彼らが色眼鏡で見られる原因でしょう。
欲望などに忠実な面はありますが、他の迷惑になること・目立つことは好まずひっそりと生活しています。数字に強く、契約にうるさいことから、その方面で人間社会に溶け込んでいる者もいます。
彼らは先天的に特化した能力(怪力や魅了など)を一つ持って生まれ、その他に魔術を使います。
また、魔術を人間に伝えたのも彼らです。
注意しなければいけないのは、魔獣や魔物は彼らとは無関係の存在で、混同すると非常に嫌がられます。
人間は、非常に弱く短命です。○○人・ワー××・~マン・ハーフ※※などの亜人もこちらに含まれます。もろく弱いことと成長速度が凄まじいのが特徴です。
使えるモノは使い、利用できるモノは何でも利用する強かさを持っています。
先述したように、魔族に比べ数段劣りますが魔術を使い、生命エネルギーでもある『気』を使った剣術や体術などを使います。魔法使いの王を討ったのも、この技術です。
また、人間は道具を考案し、使うことに長けた種でもあります。
そんな四種族が共存する今現在、世界は人間の全盛でいくつかの国があります。
基本的に、魔法使いの王国が崩壊した後の建立ですが、中にはそれ以前からの歴史深い国もあります。国家間は大変良好でいずれの国も、最低限の軍事力しか保有していません。
文明レベルでいえば魔法使いに遙かに劣っていますが、文化レベルは高く様々な分野が開拓されています。
また、各国はあらゆる面で協力して善政を敷いており、いずれの国の国民からも大きな不満は出ていません。
ただ一点、無尽蔵に湧き出る魔獣や魔物による被害だけは、各国ともに頭を抱えています。
各国がいがみ合うことなくいられる一因は、そういった脅威による緊張感なのかもしれません。