間奏,ショッピング!
「私の武器はこのでっけえ剣と、魔法は火を操れる」
「アタシはこのナイフ!魔法は大体使えるよ!」
大体使えるって・・・
「普通、魔法少女は一つの魔法しか使えないんだよ」
やっぱりこいつなんか変だなー、生まれたときから魔法が使えるらしいし、そんな人間いるのか?
聖奈を迎え入れて10
日目、そこそこコミュニケーションも取れてきて、連携も取れるようになってきた。
「菊花ー、明日用事ないでしょ?このお金で聖奈ちゃんとショッピング行ってらっしゃい」
母さんが部屋の扉を開けてきた。ノックをしろとあれほど言っているのに。
「ショッピングぅー?アタシ行きたいです。お姉ちゃん!一緒に行こ!一度こういうことやってみたかったの」
「誰がお姉ちゃんじゃ!」
このお姉ちゃんって呼ばれ方にも慣れない。
「ふふっ、本当の姉妹みたい」
「母さんまで・・・」
結局、断れず、ショッピングって・・・私、そういうのよくわからないんだけどな・・・。
―――
そうして電車に1時間ほど揺られてやってきたのはアウトレット。休日は駐車場がパンパンになるほど人気の場所だ。夏休みの始まりだからかそこそこ人がいる。
「あぢー、人多すぎだろ」
やっぱりこういうのは向いてない。早く室内に入ろう。フードコートでゆっくりしてたい。永遠と。
「お姉ちゃん!あのお店入ろう!こっちもいいなぁ、ここにも寄ろう!」
どんだけ元気なんだコイツは。でもまぁこいつが楽しけりゃそれでいいか。
「はいはい、落ち着いてな」
それからどれだけの店舗に寄っただろう。たくさんの服を試着して、ご飯を食べて。本当に姉妹になっちまったみてぇだ。
「結構買ったな」
日は暮れ、オレンジ色が世界を照らしていた。
聖奈は終始ニコニコで、とても満足しているようだった。
ひょんと、昨日聖奈が言っていたことを思い出す。
「聖奈、一度こういうことやってみたいって、友達とかと来なかったのか?」
立ち止まってしまった。聞いちゃいけないことだったか。
「アタシさ、この街で生まれたんだけど、その時事件の真っ只中だったから東京にある親戚の家に移って育ったんだけどさ、幼稚園の頃から何故か周りの皆んなにこの街出身だってバレて、言われたんだ”呪われた場所で生まれた呪いの子だ”って。それで友達なんてできるわけなくってさ・・・初めてで、楽しくて、嬉しんだこういう事ができるの」
「私だってこの街で生まれて、その事件を生き残ってこうやって今も生きてんだ。聖奈は一人じゃねえ。今度またそんな事言うやつがお前の前に現れたら私がぶん殴ってやるよ!その時は聖奈も一緒にな!」
聖奈は呪われた子なんかじゃない。まだ会って5日だけど、悪いやつじゃないのはわかる。むしろイイやつだ。
帰りの電車で流石に疲れたからか聖奈が肩にもたれかかって寝ていた。
「お・・・ねえちゃん・・・」
「ま、あんだけはしゃいでたもんな。本当に妹みたいなやつだ」
今日も夜は来る、そしたら陰も湧くだろう。
魔法少女は毎夜毎夜、人類に夜を取り戻すため、戦っているのだ。そんな彼女たちの一時の話。
有里瞬です。
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