間奏六:奇跡を超えて
目が覚めてそこはやはり戦場だった。記憶はしっかりしていた。松本菊花、いやそれとは違う何かに。
遠目で見えたのは等身大に小さくなった紅、そして直感で気付いた。
あれは手を出してはいけないと。
それに勇猛果敢に挑む彼女の姿も見えたが手助けするつもりは毛頭なかった。なぜなら無意味だから、私は案外そういうのが嫌いだ。
こうして春日井つるぎは何故か生き返ったのだ。そして自分の中にある自分のものではない魔力にも気付いていた。
「紅のものと似ている・・・?」
「紅の原型、茜様に蘇生させていただきました」
そう言ったのはミスアバランチだった。
「貴方のご主人様とやらを蘇生させてもらえばよかったのに」
「理光様があなたの復活を望まれたのです」
「・・・意味分かんないやつ」
ミスアバランチに事の経緯を話してもらい、私は考えた。
今ではなく未来に向けて。
このまま日本は紅に滅ぼされるか、それか政府は紅を利用して私達魔法少女を鏖殺するだろう。ここまで話題になって魔法少女を運用できるはずがない。
「そして日本は夜を諦め、陽の下でしか生きていけない弱小生物となる・・・だろ?」
砂煙から現れたのは有栖だった。黒髪でメガネ、しかしその有栖はメガネを外してもよく見えているようだった。
「いやね、私の片割れが死体になっていたから、使わせてもらうことにしたんだよ。地上の人間どもには多少ぶっ殺してやりたいっていう復讐心があったが、このザマを見ればそんなことどーでもいいや!アンタらに付いていくよ、何悪いもんじゃない、アリスって呼んでくれ」
アリスは未来を見る魔法を使うことができるのを知ったのはこの動乱が終わって先のことだった。
「全員は助けられない」
残酷だが、真実だ。
「1つアドバイスするとな、愛媛だ。そこの院長は話がわかるって評判だぞ」
しばらくして紅は石化し、救急車、救助ヘリなど緊急車両がこぞってやってきた。
そのうちの一人を尋問したところ、搬入リストに浦賀聖奈は愛媛の大学病院に予定されていた。そのリストにはすでに「処分」とチェックが入っている魔法少女もいた。その尋問した隊員に無事そこまで届けるよう恐喝しておいた。
「なんでその女を助けるんだ?どれも変わらないと思うけど」
「ちょっとだけ顔見知りでね、私的な理由だけど、幸せにしてあげたいの。時折とても悲しそうな顔をしてたから」
「ロマンチックだこと」
浦賀聖奈を乗せたヘリが無事到着するのを確認してから院長も脅しておいた。
こうして生き残った3人の魔法少女と1体の土人形の新時代が始まる。
有里瞬です。
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