41,誇りと、勇気と
目が覚めるとそこは病院の一室、見知らぬ天井である。
「私は・・・誰?」
どうやら記憶障害になってしまったらしい、何も思い出せない。
「お姉ちゃん?」
そうだ私には姉がいるのだった、体を動かそうとしても動かない。
すると病室の扉が開き、看護婦が入ってきた。看護婦は私をゆっくりと起き上がらせ、車椅子に座らせた。そして押されてたどり着いたのは院長室だった。
「ん、反応あり、喋れるかな」
院長は簡単なチェックをするとソファに深々と座った。
「あの・・・ここは・・・私は・・・?」
「浦賀聖奈、現在は17歳。東京の紅動乱での被害者だね。そしてここは愛媛県の大学病院、君を治療、安静にしておくための場所だ」
返すコメントがなく、沈黙してしまう。
「本当ならね、君たち魔法少女は極秘で殺処分しろと政府から呼びかけが掛かっているんだよ。それを紅が発した魔法少女のみを殺す能力のせいにしてこの世から魔法少女を一匹たりとも残さないつもりなんだよ。自分たちで夜を取り戻すためとか、息巻いておいて不都合が起きたら用済みにする、正に腹黒い政府が考えそうなことだ。でも安心してくれ、僕は君を殺すつもりはないよ。どうやら僕も被害者になってしまっているようだから」
「それってどういう・・・?」
「2人の魔法少女から君だけは生かさないと家族ごと殺すと脅されていてね、君はこの後ここで彼女たちに引き渡すことになってる」
全く状況が掴めないまま淡々と話が進んでいるが。
「あの・・・お姉ちゃんはどこですか?」
院長はフムと資料を再読するが。
「君に血縁関係があるのはご両親だけのはずだよ、君に姉どころか兄弟姉妹はいない」
あれ・・・そんなはずは
「じゃっじゃあまだその東京にいるはずです!いるんです!お姉ちゃんが」
「東京は隔離されていて人っ子ひとりいないよ、走馬灯、かな。君の家庭については知っているよ、頼れる存在を空想に創り出したんだろう?これが真実だ」
嘘だ・・・確かにいたんだ。砂埃が舞う中で私を守ってくれていた温かな背中を。お姉ちゃんはいつも私を見守っていた。
「さて時間だ、窓を開けておけと言われたが・・・。話をすれば」
窓から2人の魔法少女が入ってくる。
「わざわざ海超えてくる価値あったかね」
「いいじゃないですか、私が助けてあげたかったんですよ」
入ってきたのは春日井つるぎと有栖?だった。
有里瞬です。
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