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4,魔法少女制度

8年前――。

「再びこの世界に夜を取り戻すため、魔法少女という存在を公認、復活させませんか」

そんな事を言ったのは、複数の若手政治家達。

もちろんそんな発言に大しての猛反発、批判殺到。

「忘れたのかあの忌々しい事件を!」

「若いもんはこれだから・・・」

全員が気にしてるのはやはり5年前の魔法少女反逆事件のことだ。数多くの死者を出し、日本全土に大きなダメージを与えた。

「ええ皆さんの気持ちも十分理解できます。ですがそれからの日本はどうですか。夜を陰に支配され、出歩けず、怯える日々。海外の大半は魔法少女制度を実装しています。このままでは最悪他国からの――」

「黙れっ!魔法少女制度には反対、それがこの場の意思だ!」

そーだそーだと大の大人が子どものように振る舞い出す。

「そのために、とある人物を呼んでいます」

そこへ入ってきたのは、金髪、鋭い目つき、白いスーツの男。

「彼は魔法少女の専門家、狂崎桜花(くるいざきおうか)さんです」

「私が狂崎桜花です。ええよろしく。それでは今から最新の魔法少女制度についてお話します。質問は後ほど、話してる最中に遮られるのはええ不愉快ですから」

その男の説明はあまりに明確で的確で周りを納得させる妙な雰囲気が合った。

そして桜花が取り出したのは紙束。

「これが先程お話した、契約書です」

契約書、本人のサインと血の指紋によって対象に魔法少女としての力を与える魔なる紙。

「この契約書の備考欄に”日本政府の言うことを聞く”と制約をかけておけばいいのです。そうすれば反逆は絶対起きない。ええ実際5年前の事件の発端は無造作に作られた魔法少女達の作り主、つまりは黒幕がこの備考欄に私と同じようなことを書いたのでしょう。さぁ私達で再び夜を取り戻そうではありませんか!」

そのまま会議は続き、最終的に投票へ。その結果、賛成の票が9割を超えた。


会議終わり。一人浮かない顔の男が一人。

「ん、どうした(まなぶ)、魔法少女制度が嬉しくなかったか?確かお前の奥さんも・・・」

「はい・・・正直、悪いことではないと思います。ですが乗り気になれなくて」

魔法少女は僕の妻を殺した。その魔法少女の顔は今でも覚えている。殺してやりたい、同じように腹を割いて。でもどうせもう死んでる。この復讐心は消えることなく僕の心で燻り続けるだろう。

そこで最悪にも僕は思いついてしまった。

「備考欄・・・」

いやそんなことしなくたって死んでる、この世にはいない。でももし、もし生きているのなら。あの事件以降も魔法少女の存在はSNSなどの動画で話題になっている。もし自衛隊が僕の妻を殺した魔法少女を殺し損ねていたら?

念には念を。そうして生きてきたのだから。


それから1年後に魔法少女制度が正式に導入されたが、一般人を魔法少女にできるわけもなく、孤児院や身寄りのない人を選び、本人の同意を確認して魔法少女を増やした。もちろん備考欄には”日本政府の言う事に従う、逆らうことはできない”と記載されていた。

桜花は契約書をどのように手に入れているかは一切公開しなかった。だが数に余裕はあるような振る舞いであった。余裕のある枚数あったのでその中から何枚か盗まれたとしても気付く由も無かった。そのうち備考欄に何も書かれていない純白な契約書も何枚か外部へと漏れたのだった。

有里瞬です。

読んでいただきありがとうございます。ぜひ応援してください。

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