33,レットミー
魔女を顕現、または覚醒した魔法少女たちが目指すは日本の契約書製造に必須な魔法少女の肉体を手に入れる地下洞窟。彼女たちはそこに紅の契約書があると感じ取っていた。メガラテは契約書になっても尚、得意な魔力を発していた。
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ここは地獄・・・?
いつの間に気を失っていたみたいだ。東京には炎が燃え盛り、陰が次々と生み出されていた。禍々と、のそりのそりと歩みを進める巨躯は炎で体が溶けると同時に再生を繰り返し、この世ならざる物体へと変貌していた。
私は聖奈。
「せな・・・、みんな戦ってるのに、座って何しているの?戦わなきゃ、帰らなきゃ、有栖とお姉ちゃんが待ってる」
ならどうやって?どうすれば私は・・・
迫りくる陰を退け、腕をもがれようが、目をえぐられようが、再生して
「ここ、魔力濃すぎ」
私じゃない魔法少女も次々と復活しだす。
「私達・・・死ねないじゃない」
―――
理光が心臓部分に近づくほど、自分がどこにいるのか、地面がどこかわからなくなってくる。
「こりゃダメだ」
生身の体じゃ確実にイッちまう。心を落ち着かせ、解脱し、魔力が自分の全てだと認識し、感じる。
・・・・・・。
誰かいる。ショートの女の子、いや・・・
「そこの魔法少女、誰だ」
「おじさん誰」
おじさん、というセリフにカチンときたがすぐ平静を取り戻す。
「知ってるよその顔、いや俺の世代で知らねえやつはいねぇ、茜チャン」
「私を殺してもこれは止まらないよ、無意識なの、私の心の奥底、さらにその奥にある力が独り歩きしてるの、私は傍観者。あなたも?」
「これを止めようが、どうしようが俺に未来はない、ここでお前とお茶すんのも悪くはないが・・・壊すなら自分の手で・・・せっかくの高いおもちゃを知らない間に壊されるくらいなら自分で壊すのがお前だろ?そこが引っかかってな」
「見ての通り、ここには魔力のまの字も無い。やれないんじゃなくてできないんだよ」
「もしここから出れるなら?」
「・・・」
「俺には特異な力があってな、陰が寄ってくるんだよ。おかしなほどにな」
陰なんて魔力の塊のような存在だ。
「・・・いいの?」
茜は舌を出して言った。
「一つ、交換条件だ。なぁにお前にとっちゃ指を曲げるようなもんだ」
有里瞬です。
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