31,だ■す■
最近、夢を見るようになった。無限に赤い海を泳ぎ続ける夢、何度溺れても体が浮いてきてしまう。そして朝起きたら体は汗ぐっしょりで、節々が筋肉痛だったりする。寝る場所が悪いのかな?せめて段ボールの上とかで寝たほうが・・・
カカッ!人を殺し、得体のしれない肉を食べておきながら自分の寝床の心配とな!やっぱりお前は普通じゃない、アタシですらチビッちまいそうだ。
「メガラテさん・・・」
私の勝手な予想だがメガラテは毎夜私の体を使ってなにかしてる。その目的はわからないが、今の私が何をしようと大した問題ではない。結局指名手配されているから。
私はちょこんと座って考え込む。もう海外に逃げてしまいたい、だがどうすれば海を渡れるだろう、空を飛ぶ魔法はあるが海を渡れるほど使える自信はない。
「ああ・・・死にたい」
ここでこうしていても埒が明かない。私は橋の下から陽の当たる場所に出る。
「うっ・・・まぶし」
しかしその光は太陽ではなく銃口の鈍い黒の光沢だった。
ドンドン。
小銃ではない、散弾銃だ。およそ人に使うものでは決してないだろう。こんなにも至近距離でくらえば人どころかこの世の生物は生きられないだろう。どうやってかは知らないが、陸自が待ち構えていたのだ。
あぁ、死ねた。周りは静かで、片目が機能してない。顔が半分吹っ飛んでいる。
するとメガラテが姿を見せてきた、その姿はギザギザの牙に浴衣、魔女と言っていたがどっちかというと花魁に近い。
茜、アタシと契約しろ。お前の肉体はなくすのは惜しすぎる。
ようやく死ねたのに・・・もう話しかけないで
お前の体を使うだけだ。お前の意識、魂は死ぬ。お前が死んだ後の世界なんてどうでもいいだろう?
・・・それもそうだ、友達も親もいない、勝手に魔法少女にされて、勝手に人生が終わったじゃないか。やりたいことだってたくさんあったのに。
・・・ねぇメガラテ。私の代わりに、この世界ぶっ壊してくれる?
任せろ。契約成立だ。
―――
「おい、気を付けて運べ」
ヒュウと乾いた風が吹き始めた。
「クソ、風が出てきた。急げ」
チリッ、チリチリッ。
「ん、なんだ?血?」
「この風はただの風じゃないぜ、旋風だ」
「こいつ生きてる!?」
旋風は勢いを増し、周辺にあるありとあらゆるものを巻き込んでいった。皮膚は裂け始め、肉体は原型を留めていられなくなる。
「ふぅ、最高の体がてには――」
突然体に異変が起こり始めた。
「くっ・・・頭が!・・・ぐああああああっ!」
背中から腕が3本生え、その腕は辺りの肉片を集め始めた。
「コイツっ、この体!アタシですらコントロールしきれねえ!」
肉片は次々と集まり、体を覆い、異形へと形を成していった。
ハッ・・・ちくしょう。なんて野郎だよ、アタシまで意識を持ってかれちまう。このままじゃ本当に世界、終わっちまうかもなぁ。
有里瞬です。
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