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そうだ・・・私はいてもいられなくなって、逃げ出したんだ。他の魔法少女から殺されそうになって、私は、逃げて、逃げて、どうやら私は無駄に魔法少女の才能があったらしい。襲いかかる魔法少女を倒して、殺して、善戦して。どれだけ大人数と戦おうとも生き抜いてしまう。
「あぁ今度こそ、ようやく死ねそうだ・・・。」
足と腕が折れてる。片目も潰れて、内臓が壊死しかけている。これまで何人との魔法少女と戦ったろう、何人も殺してしまった。正当防衛とは程遠い。
茜はそっと目を閉じ、眠りにつこうとした。
人を何人も殺しておいて、ようやく死ねるだって?つくづく面白い子やね。
「・・・だれ?」
周りに人はいない、どちらかと言うと頭の中に直接聞こえるような。
そうさ、アタシがあんたの頭ん中に話しかけてるのさ。
「あはは・・・天使さんが来てくれたんだ」
違う、アタシは大いなる魔女メガラテだ。
「メガ・・・ラテさん?」
こんなにも人を殺しておいて、死ねば救われるとでも思っていたか?そうやって自分に言い聞かせ、魔法少女を殺した事実を正当化し、血のついたその服と手がきれいさっぱり洗えるとお思いで?ハハッ笑える。あんたは手を汚すたびに心の底ではその興奮に快感に滾っていたはずだ。
「ち・・・ちがっ」
違わない、お前にあるのは魔法少女なんかの才能ではなく、人を殺す才能だ。
「わたしは――!」
殺した魔法少女の死体を一度でも見たか?全て小腸が外に出ていた。腸を引き出された魔法少女の怨嗟の声は、さぞ気持ちよかったろう。
「もういい・・・黙って・・・お腹すいた」
帰る家はない、頼る人もいない。私を幸せにできるのは私だけだ。死ねなかったけどこれからも私の人生は続くのだから。
これは私の悪い癖だ、ムキになると周りが見えなくなって、歯止めが効かなくなる。
「おいしい・・・くちゃくちゃ・・・――あ」
私はいま食べているものを見て絶句した。
「この生肉・・・なんの肉?なんで私生肉なんか・・・?」
有里瞬です。
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