27.5,世界
「ん、んあーっ!なんだここ!ってあのバケモンの腹の中か」
理光はとんでもない異臭の中目を覚まし、鼻をつまみながら歩き出した。が途端に倒れてしまった。
こりゃー・・・魔力が濃すぎる。気分が悪い。
「おえーーっ」
とはいえここで呑気に寝ればそのうち胃液と一緒に溶けてこいつの糞になるだろう。
ドクン・・・ドクン
これは心臓の音?じゃあここは・・・まだ食道か。喉が俺を異物として飲み込むのを拒否してるのか。
紅が外で何をしているかは考えずともわかる。
「ったく・・・これじゃまるで正義のヒーローみたいじゃないか。俺戦隊モノ見てねえよ」
理光は心臓部分を目指し、バカほどでかい内臓を進み始めた。
―――
聖奈や全国の魔法少女が束になっても紅は止まらない。
このバケモノを倒すには何か特別な攻撃がいる。そういった魔法だったり、規格外の攻撃だったり、このままじゃダメだ。
すると周りの魔法少女が次々と倒れだした。
「えっ!?なに!みんなどうしたの!?」
なにこの禍々しい空気、過剰な魔力?みんなさてはこの濃い魔力に当てられて?私は違法な魔法少女だから効果がない?
どうする?どうすればこの状況をどうにかできる?あ、ダメだ。これ考えても考えてもだめなやつだ。圧倒的過ぎる。
「ひッ・・・」
恐怖してしまった。奮っていた魂が冷めきって本能が悟ってしまった。聖奈はついに座り込み泣き出した。
―――
菊花は学の胸ぐらから手を離して言った。
「クソほどムカつくが、てめぇは殺さねぇ」
この意思は私のものじゃない。アタシのものだ。
「契約書はもうどこにもないんだよ。君の欲しいものはここにない」
「このやり方は古臭くてやりたくねえが」
菊花はそこに落ちてあった瓶ビールの空を割り、その破片を学に渡した。
「?」
「それでどこでもいい、切って血を寄越せ」
学は言われた通りに指を欠片で切る、そしてそこから血が滴りだす。すると菊花が急にその血を指ごと舐め始めた。
「なっ・・・!」
菊花は吸い終わると
「こんくらいで十分か、今から私が言うことを復唱しろ。汝の罪を許す、ここにその誓いを」
「な、汝の罪を許す、ここにその誓いを・・・」
「エルメエール」
「エルメエール・・・」
しかしなにか起こったような気配はない。
「もう自由にしていいぞ、礼に1つ助言してやろう。今すぐ東京へ行ったほうがいいぞ。来るか来ないかはお前次第だがな」
そう言うと菊花はどこかへ言ってしまった。
有里瞬です。
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