3,共同生活?
結局家に泊めることになってしまった。まぁこんな年頃の女の子を道端で寝かすわけにもいかないし、仕方なく。そう!仕方ないのだ。
「聖奈はなんで魔法少女やってんの?」
私ならみんなを守りたい・・・ってか暇だからやってるんだけど。
「知らなーい。生まれたときから魔法が使えるもん」
「さっきから気になってるんだけど、なんで魔法少女の姿じゃないのに魔法使えてんの」
聖奈は魔法少女の姿でないのに髪を乾かすのも、服を洗濯するのも魔法だ。普通なら魔法を連続で使うとだいぶ体力を消耗すると思うんだが・・・。
「んーと、ヒミツ」
東京の子はもしかしてみんなできたりするのだろうか。少し怖い。
「アタシも聞きたいことあるんだけど、東京からこっちに来るにつれてやっぱり陰が多くなってきてる気がするんだよね、なんていうか陰がこの街に寄ってきてる感じ。アタシの予想だと10年前の事件が絡んでると思うの」
10年前の事件、実際には13、4年前におきた人間と魔法少女による戦争。記録によると、突然魔法少女が操られたかのように人を惨殺し始めたのだ。その虐殺は終わらず、しびれを切らした政府は自衛隊を用いて鎮圧を決行。魔法少女はひとり残らず殲滅という日本史上最悪の事件だ。
「今更って感じするけどな。でも確かに陰の数は増えてる。このまま増え続けたらって思うと・・・」
「そこでアタシを雇わない?」
はい?
「なんと今なら衣住食だけという破格のセールを行ってます!増えていく陰に対抗するため、アタシを、どう?」
「さては最初からそれが目的だったな!?部屋は1つしかないんだよ。敬語も使えないようなマセガキは出てけ!なんなら今すぐこの家から出ていけ―!」
聖奈の服を引っ張って部屋から追い出そうとする。
「なっ、こんなかわいい中学生をこんな夜更けに晒すなんて。おかーさーん!お姉ちゃんが家から出てけって怖いのー!えーんえーん」
お姉ちゃん!?
「コラ菊花、聖奈ちゃんいつまでもここにいていいからね?いじめちゃ駄目よ菊花」
部屋に突然お母さんが入ってきて言った。
「なっ、お母さんまで・・・」
聖奈はこっちを向いてニヤッと笑った。こいつめ。
それから数日が経ち、夏休み初日へと飛ぶ。
「今夜、墓参り行こうかな」
そう言い出したのは、聖奈が家に居候してから2週間ほどだった。
「何を言い出すかと思えば、もう忘れてるかと思ってた」
「それじゃあアタシがまるで東京に家がなくて墓参りを理由にこの家に滞在しているみたいじゃないか」
実際そうだろ。
「・・・まぁ最近、また陰が増えてるみたいだし、私も暇だし一緒に行こうか」
聖奈がまじまじと見てくる。
――トゥンク・・・
「ラブコメで発生しそうな擬音を出すな!暇だからだ!決してお前が心配だからとかじゃなーい!」
有里瞬です。
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