25,混戦
紅、このバケモノは一体どこへ向かっているの?そもそも向かうとかではなくただただ破壊の限りを尽くしているだけ?中にいるあの男はどうなっているの?
「状況が飲み込めない。まだ、私の準備は整ってなかったのに・・・!あの男」
時間を掛けている余裕はない、次々と魔法少女が集まって援護しているがどれも決定打にならない。今の魔法少女達は契約書の強制力が働いているため多少は強化されているにも関わらず無傷、それほどまでに紅は化け物じみている。
紅は辺りの魔力を吸い込み魔力玉を作り、発射しようとした。
なんていうエネルギーの塊!これは街に被弾してしまう!
「っ!!仕方ない!ジャンヌ!」
つるぎはそう唱えると、普通の魔法少女じゃありえない規格外の魔力で盾を作り出した。
「なに・・・あれ」
「なんなのあの魔法少女・・・」
これだけやっても受け止めきれるかは一か八か。起動を逸らして海まで持っていければ・・・!
そこに更に高速で向かってくる魔法少女が一人。その魔力はどこかで感じたことのある、でも歪な魔力。
「えっ」
その魔法少女は松本菊花だった。その魔法少女はつるぎの手助けするでもなく、紅に攻撃するでもなく、つるぎの胸を大剣で貫いたのだった。その行動をつるぎは予測することはできなかった。いやできるはずがなかった。
菊花の急襲に魔力玉を防ぐ盾は崩れ、無慈悲にも魔力玉は発射される。
盾の魔法の欠片が起動を逸らし海の方まで飛んでいってくれた。
・・・着弾位置は・・・千葉の方までいってるわね。
「なんのつもりなの、あなた」
松本菊花の攻撃がなければ、あの攻撃は防げたかもしれない。胸の出血をコノハの紙で止血する。
どうみても正気じゃない。
「春日井つるぎを・・・殺さなきゃ」
「契約書の効果・・・あなた違法契約者だったのね」
しかも春日井つるぎを、私を殺すためだけの契約?誰が?なぜ?
「あの簪理光が?いやでも・・・辻褄が合わない」
契約書の効力を消すには、契約書を破棄させるか、その目的を達成させるか。
「私が死ぬか、いやそれしかないのね」
まだ死ぬわけにはいかない、この世界のためにやらねばならないことがある。
「ごめん、まだ死ねないんだ」
有里瞬です。
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