23,暴走
それは穏やかな昼だった。魔法少女も普通の女の子として日常を過ごしていた。
―――都内の高校。
「そういや最近、また違法な魔法少女が出てきてるらしいよ」
魔法少女は高校では魔法少女同士で集まって話すことが多い。違法な魔法少女というのは国の承認無しで契約書にサインして魔法少女になった者のこと。
「国に見つかったら殺されちゃうんじゃないの?」
「魔法だけ手に入れて周りからチヤホヤされたいんでしょ」
それは穏やかな昼だった。
屋上に影がかかった。どうせ大きな雲でもかかったのだと上を見ると。
それは学校1棟分の大きさを誇る最悪の魔法少女、紅だった。
「・・・あ」
屋上にいた少女たちは変身する間もなく足で押しつぶされ、骨一つ残らなかった。
「オオオオオ」
紅は動き出し、東京の街を建物を破壊しながら闊歩した。
「くっ・・・」
学校の瓦礫に挟まって辛うじて生きていた少女が変身した。
「よくもっ私の友達をぉぉお!」
少女は構えて魔法の準備をする。
すると紅は体中から触手のような物を出し、少女を襲い始めた。
「こんな攻撃なんか!」
少女は一旦魔法の手を止め、触手を避けると、さらにその触手が10本以上に枝分かれし追撃してきた。
「!?」
少女はダメージを多少食らう体で魔法を準備した。
全部は避けきれない。玉砕覚悟で最大出力を食らわしてやる。
ぐあん
「・・・えっ」
枝分かれした触手の一本が口を開き、少女の両腕を噛みちぎった。
「きっ、きゃあああ!うでッ、うでがああああ!」
集中力が切れ、空中に浮かぶ魔法も切れてしまった。
倒れ込んで無力な少女に無数の触手が口からよだれを垂らして寄ってきた。
「ひっ・・・怖い・・・けて・・・誰か助けて!」
恐怖に思わず目を閉じた。あ、死んだ、そう思った。しかし待てども何も起こらない。おそろおそろ目を開けると、顔に包帯をぐるぐるに巻いた魔法少女がそこにいた、いや助けてくれた。
「大丈夫?ごめん傷は治せないけど」
「あ、ありがとう・・・」
包帯の少女はニコっと笑うとバケモノに向かって進み始めた。
包帯の少女、春日井つるぎが来た。
有里瞬です。
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