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15,終戦

「――殲滅率99パーセント、現場にいる隊員はすみやかに退所せよ。繰り返す――」

ぞろぞろと隊員が荷物をまとめて車に乗り込んでいく。窓からその光景を見ていた人によると、全員人とは思えない顔をしていたという。人を楽しんで殺すような顔ではなく、命令とはいえ、人を、若き少女を殺めてしまったというその事実が彼らの間を渦巻いていた。

「死者数4千人だと!?」

「はい、紅の乱入によって一部の魔法少女も蜂起してしまい、予想を大きく上回る結果になりました。その中には平副司令も・・・」

理光は本部で頭を抱えていた。


―――


「つるぎ、あいつら帰るみたいだよ」

つるぎとコノハがビルの屋上からその様子を見ていた。見渡せば昨日まで友達と笑い合っていた場所が、ご飯を食べていた場所が火の海になって、それを消防隊員が死体とともに消していた。雨が降っており、それがまるでその行動を手助けしているかのようだ。

「奏先輩の赤ちゃん、あそこにおいてきてよかったかな」

つるぎ達は奏の子を手紙とともに地下鉄の椅子の上に置いてきた。

「大丈夫だよ、相当な魔力を込めたんだ。三日三晩は飲まず食わずで生きていける。私達と一緒なのがバレて変に殺されるよりマシだって」

空には雨雲がかかっていて、今が夜なのか昼なのかわからないほど暗くなってしまっている。

眼下に広がるのは灰と化している街と終戦によって安堵した一般人が死体を焼却する様子。

「つるぎ・・・」

雨のせいで泣いているのかどうかわからない。だがこの光景を見て正気でいられるのも・・・

赤い・・・涙?

「つるぎ!?なにしてっ!?」

つるぎは自分で自分の眼球をほじくっていた。

コノハは紙なのでそれを止める術はなかった。つるぎは抉り出した眼球を潰した後、ビルから投げ捨てた。そしてずっと一言も話さずそのまま失神した。


その後、コノハが紙を大量に創り出し、止血をした後、微量ながらも魔力を送り続けた。1週間後に目を覚ましたつるぎの第一声が「もう、何も見たくない」だった。奏の子を手放してつるぎには本当に何もかもなくなってしまったのだと思った。コノハはそんなつるぎになにか言う気にはなれず、ただ一緒にいてあげることしかできなかった。つるぎが紅とタイミングよく本部を襲撃するのはこれから3週間後のことだった。

有里瞬です。

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