第22話 兵士を率いる女帝との戦い
スタンピードの緊急警報を聞いた俺と松本さんは、すぐにお店を飛び出した。
「松本さん! 俺、先に行きますね!」
「分かりました!」
正直、Aランクハンターである松本さんの移動速度でも遅いと感じたので、先行することを伝えた。
さらに、【疾走】で移動速度を強化し、街中を疾風のように駆けていく。
現場━━━ダンジョン前に到着すると、多数のソルジャー・アントを視認したが、何故か今はハンターとの戦闘が中断し、綺麗に整列していた。
そして、この理解の及ばない状況に多くのハンターが呆然とする中、ソイツはダンジョンの入口から姿を現した。
俺もその人型魔物を見て、思わず驚いてしまったが、ソイツが地面に蜘蛛の巣状の亀裂を刻み、一瞬で姿を消したことで、我に帰る。
ソイツが圧倒的な速度で、後衛のハンターを蹴り殺そうとしていたので、素早く間に入り、蹴りを受け止めた。
するとソイツは、一瞬驚いたような表情を見せ、二本の左腕で右頬と右の脇腹に、それぞれ鋭く重い拳を放った。
しかし、その攻撃に合わせて身体を回転させ、逆にソイツの懐に入る。そのまま左拳でソイツの脇腹を狙うが、圧倒的な移動速度で躱されてしまった。
一瞬の攻防の中で、【看破】を発動してソイツのステータスを視たが、俺がついこの間戦ったボス━━━クイーン・アントとは、別個体のようだ。
名称はエンプレス・アントと言い、能力値や所持スキルのレベルから判断するに、ファイアー・ドラゴンと同等━━━つまり、Sランク相当の魔物だということが分かった。
何故、AランクダンジョンからSランク相当の魔物が出現したかは不明だが、エンプレス・アントが暴れれば、ここにいるハンターは全滅確定だろう。
そうならないためにも、そして被害を最小化するためにも、一瞬で決着をつける必要がある。
初めてSランクダンジョンを攻略した時よりも、さらに成長している俺ならば、それも可能だろう。
そして、戦闘行動に移ろうとした時━━━
「キィエエエエエ!」
エンプレス・アントが雄叫びを上げると同時、【覇気】を放つ。大気が軋むほどの【覇気】を浴び、Aランク未満のハンターは、全員意識を失った。
俺は全く問題ないが、他のAランクハンター達も歯を食いしばって耐えてるし、さっさと終わらせよう。
まず【身体強化】を発動し、筋力値と敏捷値を強化。さらに【奇襲】を発動し、筋力値を強化。
最後に【気配隠蔽】【魔力隠蔽】【隠密】を発動し、この世界から一時的に存在を消す。
瞬く間に【短距離転移】の有効範囲に届くと、一瞬でエンプレス・アントの背後に転移し、〈バルムンク〉を振り抜く。
エンプレス・アントは、自分の身に何が起こったのか分からないまま、呆気なく討伐されてしまった。
『魔力が37UPしました』
『筋力が37UPしました』
『頑丈が69UPしました』
『敏捷が37UPしました』
『知力が37UPしました』
『精神が69UPしました』
『器用が41UPしました』
『幸運が41UPしました』
『【強酸耐性】Lv.9にUPしました』
『【暗視】Lv.9にUPしました』




