第16話 ハンター活動再開
荷解きや家具の設置など、引っ越し作業が全て終了し、いつも通りの生活を送れるようになった。
しかしここら辺は土地勘がないため、父さんと母さんは休日を利用して、色々見て回るようなことを話していた。
俺は興味がないため、今日からハンター活動を再開し、ダンジョンを攻略していく予定だ。
とは言っても、都内のAランクやSランクダンジョンは攻略済みのため、県外のAランクダンジョンを巡るつもりだ。
最初に向かう場所は既に決めてあるので、手早く身支度を済ませると、勢いよく玄関の扉を開け放った。
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新幹線で約三時間ほどかけて訪れた場所は、色々な文化財があり、上品な舞妓がいる京都だ。
正直観光には全く興味はないが、舞妓さんにはとても興味が唆られる。しかし、一見さんお断りの店もあるらしいから、行くのは難しいかもしれない。
そんなことを考えつつ、携帯のマップを頼りに歩いていると、目的のダンジョン前に到着した。
ここまでの道中でも思ったが、周囲の視線やカメラの音が凄い。新たなSランクハンターの誕生はまだまだ記憶に新しく、皆に注目されるのは仕方がない。
まぁコソコソするつもりはないから堂々と歩いていると、一人の青年が携帯を持ちながら、駆け寄ってきた。
「すみません、松原ハンター!」
「はい」
「俺は、松本圭介って言います! 松原ハンターに出会えて、とても光栄です!」
「あ、ありがとうございます」
今までこんな熱烈に話しかけられたことがないので、勢いに負けてタジタジになってしまう。
「ここへ来たということは、あのダンジョンを攻略するんでよね!」
「そ、そうです」
「Sランクダンジョンをソロで攻略したと聞いています! あのダンジョンも、ソロで攻略するのですか?」
「そのつもりです」
俺の返事を聞いて、周囲の人達━━━その中でも、ハンター達が感嘆の声を上げる。
「流石です! お時間を取らせてしまって、申し訳ありませんでした! 俺はHuntuber兼Aランクハンターなので、何か困ったことがあれば、ここへ連絡をください!」
そう言って名刺みたいなモノを渡され、彼は横にズレて道を開け、そのままカメラを回し続ける。
「ありがとうございます。あの…ダンジョン以外のことでも、連絡していいですか?」
「はい! 是非!」
眩しい笑顔を向ける青年に軽く会釈すると、俺は再び歩き始めた。
(舞妓さんについて、何か知ってるといいんだが…)
目の前の上級ダンジョンよりも、舞妓さんで頭がいっぱいな俺は、入場手続きを済ませ、入口を潜った。




