第9話 久しぶりの出会い
目の前の光球が一段と光り輝くと、オークの上位種━━━ハイオークが現れた。
「ブモォオオオ!」
耳を塞いでしまうほどの雄叫びを上げると、その大きなお腹を揺らしながら、片手斧を振り上げ駆け出す。
振り下ろされた片手斧を受け止め、どちらも押し込もうと鍔迫り合いになる。しかし、その拮抗は一瞬で崩れ、ハイオークが蹈鞴を踏む。
「オラァ!」
その隙をついて、袈裟懸けに斬りつけると、残痕から血飛沫を上げながら、ハイオークはその場に倒れた。
『Lv.5にUPしました』
『Lv.6にUPしました』
『魔力が4UPしました』
『筋力が5UPしました』
『頑丈が6UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が4UPしました』
『幸運が4UPしました』
『【打撃耐性】Lv.4にUPしました』
『【斬撃耐性】Lv.4にUPしました』
『【刺突耐性】Lv.4にUPしました』
宝箱の中身は、ハイオークの素材と蚊取り線香に似たアイテムが入っていた。裏返したりしても、特に目に留まるような部分は無かった。
売却ついでにギルドの職員に尋ねみると、あのアイテムは、オークの体臭を利用した魔物除けの魔道具だった。
ハンターの中には、ダンジョン内で寝泊まりする者達もいる。そういう人達にとっては、必需品らしい。
今後、ダンジョン内で寝泊まりすることがあるかもしれないので、売却せずに取っておくことにした。
昼食を食べるには少し時間が早いが、キリが良いので、近くのチェーン店に寄ることにした。
ハンバーグ&ステーキセットを注文し、スマホを弄っていると、突然声をかけられた。
「お! 唯人じゃないか!?」
視線を向けると、高校の同級生━━━松本音也が、ドリンクを片手に立っていた。
「音也! 元気にしてたか?」
「勿論! そっちは?」
「この通り。大学は楽しいか?」
「まぁな。色々なサークルがあるし、可愛い子もたくさんいるからな!」
「そうか」
「唯人は確か…ハンターになるって言ってたよな? 調子はどうだ?」
「まだ解体作業に慣れなくて、何回か吐いたりもするけど、順調といえば順調だよ」
「うわぁ…大変そうだな。ぶっちゃけた話…稼げてるのか?」
「ま、まぁ…ボチボチかな」
「まぁ、そうだよな。遊んで暮らせるほど稼げるハンターなんて、ごく一部だもんな。それより、知り合いのハンターで可愛い子はいないのか?」
「俺はソロで活動しているから、知り合いのハンターは一人もいないんだ。あ! だけど、この前パーティーに誘ってくれた人達がいたんだけど、その中にいた女性は綺麗な人だったよ」
「だったら、なんでその誘いを断ったんだよ!? その人とお近づきになれたかもしれないのに!」
「お前の方こそアホだろ。そんな綺麗な人が、俺達のようなガキを相手するわけないだろ!」
「た、確かに…。だけど、Sランクハンターの中には、女優やアイドルと結婚したり、ハーレムを築いている人もいるだろ?」
「夢はあるよな。でも、今は一歩ずつ成長することしか考えてないよ。恋人や結婚は…その後かな」
「なら、俺の方が先に彼女ができるだろうな。大人の階段を上ったら、お前に自慢してやるよ!」
「それは、遠慮しておくよ。そういえば、連れの人は大丈夫か? 少し話し込んじゃったけど」
「おっと、そうだった。それじゃ、またな! 無理するなよ!」
「またな」
音也が立ち去った後、注文した料理が運ばれてきた。フォークとナイフで一口大に切り分け、その美味しさに舌鼓を打つ。
「さて、ここから近いDランクダンジョンは━━━」
店を出てお腹を摩りつつ、次のダンジョンへ向かった。
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