第1話 公式発表と燻る悪意
国内で五人目のSランクハンターが誕生したと、ハンターギルドのギルド長━━━小川忠明が国内外に発表した。
しかも、そのハンターは18歳の青年で、Sランクダンジョンを単独で攻略したという内容が、皆を驚かせた。
ー昼休憩中のサラリーマンー
「18歳でSランクハンターか…まだ高校卒業したばかりの青年が、富も名声も力も手に入れたわけか」
「羨ましいっすよね! 綺麗な女優も可愛いアイドルも、色んな女を抱き放題っすよ!」
「俺達は朝早く出勤して、終電間近まで働いて、サービス残業もして、やっと日々生活できるってのに…俺もハンターを目指そうかなぁ」
「夢はあるっすよね! でも才能が無ければ、あっという間に死んで魔物の餌っすよ…」
「そうだな。さて、仕事に戻るぞ!」
「うっす!」
ー昼休み中の女子高生ー
「ねぇ、新しいSランクハンターって私達と歳近いよね! 見た目はパッとしないけどお金持ちだし、この人と結婚したいなぁ」
「マジそれな! 一生働かないで遊んで暮らせるって、マジ最高じゃん。あぁ神様、この人と出会わせてください〜」
「陰キャっぽいし、胸とかお尻とか触らせば、イケそうじゃない!」
「かもね〜! でも、そう簡単に出会えるわけないけど」
「現実的なこと言うなし!」
それぞれが新たなSランクハンターの誕生に色々な思いを抱く中で、当然他のSランクハンター達も、発表された内容に驚いていた。
しかし彼等が一番驚いたのは、新たなSランクハンターの誕生ではなく、Sランクダンジョンの単独攻略。
トロールのスタンピードの件で、松原ハンターにSランク相当の力があることは、分かっていた。
だが、Sランクダンジョンを単独で攻略できるほどとは、誰も思っていなかった。
当然だ。何度もSランクダンジョンに挑戦している彼等が、一番その難しさをよく分かっている。
今後も彼の動向を注視しようと三人が思う中、たった一人、激しい殺意と妬みを抱く者がいた。
「Sランクダンジョンを単独で攻略だと…ふざけるな!」
激しい怒りとともに、執務机に拳を振り下ろし、真っ二つに叩き割る。
「最強のSランクハンターである俺様を置いて、あのダンジョンを攻略できる奴はいねぇ。ギルド長の爺も、クソガキの嘘に踊らせられやがって! クソッ!」
「俺もマスターの考えが正しいと思います。マスターの考えが正しいと証明するためにも、クソガキをとっ捕まえて、自白させた方がいいかと」
「あぁそうだな。少し痛めつければ、すぐに自白するだろ。その動画を全世界に晒してやれば、皆の見る目も変わる。大嘘つきのホラ吹き野郎としてな!」
「あとは、万が一のためにも保険を用意しておきます」
「あぁ、頼んだぜ。ハハハ、面白くなってきやがった!」
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