第58話 罠と実体の無い魔物
ダンジョンに入場すると、上下左右を整然とした石壁に囲まれており、等間隔で松明が灯っている。
灯りを頼りに、石壁や前方を警戒しながら慎重に進む。しかし、一向に魔物が襲ってくる気配が無いので、少し気が緩みかけた時━━━
ガコンッ
「ん?」
足元から嫌な音が聞こえ、視線を下に向けると、地面の代わりに夥しい剣山が現れ、それに吸い込まれるように落下し始める。
落下中に体勢を変え、勢いを利用し、拳で剣山の破壊を試みる。
ドガンッ!
容易に破壊は成功し、足場を確保する。ひとっ飛びで元の道へ戻る。
「ここは、罠がメインのダンジョンなのか?」
そうなると、ここは俺にとって旨みがないってことになる。でも、まだ序盤だし、奥へ進めば魔物に遭遇する可能性もある。
期待を捨てず先へ進むと、ガコッという音とともに足元が少し沈む。そして次の瞬間、左右の石壁から毒矢が一斉に放たれる。
すぐに短剣を抜き、飛来する毒矢を全て斬り落とす。
「【猛毒耐性】があるから致命傷にはならないと思うけど、用心するのに越したことはないからな」
その後も、様々な罠を力技で打破し、体感的にだいぶ奥へ来たなぁと思っていた時、ガシャンガシャンという音とともに、前方からこちらへ近づく気配を捉えた。
前方から現れた魔物は、真っ黒なフルプレートアーマーで身を包み、上質な長剣と円盾を所持していた。
名称は、リビング・アーマー。異世界モノの知識によれば、魔物化した防具で、防具の下に実体は存在しない。
「そうなると…短剣の猛毒は効果がないし、直接防具を破壊しないと、討伐は不可能っぽいな」
まぁ、Aランク魔物は十分討伐してきたし、今更苦戦することはないだろう。
三体のリビング・アーマーが同時に動き出し、先頭の個体が長剣を振り下ろす。何度も振るわれる斬撃は、剣士職のAランクハンターに相当し、普通のハンターなら、討伐に相応の時間がかかるはずだ。
「アーマード・センチピードの丈夫な胴部さえ、拳一発で破壊できたんだ。その頑丈な全身鎧も、余裕で両断できるだろう」
空間が狭いので背後に回ることはできないが、【隠密】で姿を消し、真正面から斬り伏せる。
『Lv.50にUPしました』
『魔力が16UPしました』
『筋力が20UPしました』
『頑丈が31UPしました』
『敏捷が16UPしました』
『知力が16UPしました』
『精神が29UPしました』
『器用が20UPしました』
『幸運が20UPしました』
『【気配感知】Lv.7にUPしました』
『【魔力感知】Lv.7にUPしました』
『【斬撃強化】Lv.6にUPしました』




