第53話 俺にとっては好都合
ボス部屋は前のフィールドと同じく、荒れ果てた墓地が広がっていた。ただし、濃い霧は漂っておらず、視界は良好。
頭上から十個の光球と、一回り大きい光球が降ってくる。それらが眩しく輝き、姿を現す十一体の魔物。
リッチが十体と━━━高価そうなローブを身に纏い、リッチと同じ頭蓋骨の杖を所持しているが…蠢く赤色のラインが入っている。
【看破】で視た名称は、エルダー・リッチ。全ての個体が四属性の魔法を行使でき、【死霊魔法】で軍勢を召喚できる。
まぁ俺も同じことができるから、全く脅威には感じない。しかし、同じ手段を使わずとも、問題なく討伐は可能だ。
「ふぅ…一瞬で片付けてやる!」
【身体強化】を発動し、【隠密】で姿を消す。瞬く間に距離を詰めると、【奇襲】を追加発動し、リッチを一体斬り伏せる。
コイツらは【生命感知】を所持しているから、俺の居場所は分かっているが、知覚速度が追いついていない。
仲間が討伐されてから、ようやく火の投槍や水の刃など、多数の魔法が飛来してくる。単純な魔法ではあるが、Bランク以下のハンターを一撃葬る威力がある。
しかしご自慢の魔法も、俺の動きが速すぎて、全く当てることができない。その間に、一体また一体と、リッチが斬り伏せられていく。
『Lv.47にUPしました』
『魔力が27UPしました』
『筋力が16UPしました』
『頑丈が23UPしました』
『敏捷が18UPしました』
『知力が30UPしました』
『精神が29UPしました』
『器用が18UPしました』
『幸運が18UPしました』
「残念、スキルレベルは上がらなかったか…」
リッチを全て討伐し、周囲には白骨が散乱する。残りはエルダー・リッチのみ━━━と思ったら、リッチが五体追加される。
そして、リッチがスケルトン・ナイトを十体ずつ召喚する。
「いくら雑魚を増やしても、意味はないぞ。その分だけ、俺は強くなるからな」
スケルトン・ナイト50体が、長剣を振り上げ襲いかかってくる。しかも、スケルトン・ナイトを斬り伏せた後の一瞬に、土の弾丸や風の矢が飛来する。
「ウザってぇ!」
スケルトン・ナイト達の間を高速で移動し、突風のように斬り伏せ、リッチ達に急接近する。
しかし、狙いはリッチ達ではない。【隠密】で姿を消し、エルダー・リッチの背後に移動する。
エルダー・リッチが後ろに振り返った瞬間、短剣が頭蓋骨を貫き、身体を両断された。
『Lv.49にUPしました』
『魔力が39UPしました』
『筋力が22UPしました』
『頑丈が33UPしました』
『敏捷が24UPしました』
『知力が42UPしました』
『精神が39UPしました』
『器用が24UPしました』
『幸運が24UPしました』
『【水魔法耐性】Lv.8にUPしました』
『【土魔法耐性】Lv.8にUPしました』
『【風魔法耐性】Lv.8にUPしました』
「あ! 先にリッチ達を討伐するべきだったな。コイツの魔力で生成されたから、コイツが死んだら、リッチ達は消滅━━━あれ?」
視線を向けると、リッチ達は消滅していなかった。ボス部屋という特殊な空間だからか、魔物を全て討伐しないと、ここから出られないようだ。
「俺にとっては、好都合だな」
最後の掃討をするべく、俺は意気揚々と駆け出した。
『【火魔法耐性】Lv.8にUPしました』
『【氷魔法耐性】Lv.8にUPしました』
『【雷魔法耐性】Lv.8にUPしました』
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