第42話 強化武器の破損
ギルド長との面会を終えて、タクシーで豊島区のAランクダンジョンへやってきた。いつも通り入場手続きをしていると、職員から声をかけられる。
「あ、あの…本当に一人で挑戦するんですか?」
「先程、ハンター証の更新手続きをしてきたのですが、その時の職員にも同じように心配されました」
「それでも、挑戦されるんですか?」
「現在の実力でどこまで通用するのか、挑戦してみないことには分かりませんし、撤退や対策を考えられないですから」
「そこまで言うのであれば、止めません。十分に気をつけてください」
「ありがとうございます」
入場手続きを終えると、入口を潜る。目の前に広がるフィールドは、果てのない砂漠だった。
しかも上空には、燦々と照りつける太陽があり、既に額から汗が滲み出ていた。
「めちゃくちゃ暑いな。一体、何度あるんだ?」
常にサウナ状態に辟易しながら、歩き出す。周囲には砂に足を取られながらも、必死に魔物と戦うハンター達がいる。
それに魔物ばかりに気を取られ、こまめな水分補給を忘れると、熱中症や脱水症でも命を落としかねない。
「さて、お出ましか」
砂の中を物凄い速さで移動し、こちらに急接近する三匹の気配。跳躍し、足元からの攻撃を回避すると、巨大な魔物が姿を見せる。
全長10メートルを超える巨体、鈍く輝き多くの節目がある胴部、悍ましい多脚の魔物━━━アーマード・センチピード。
落ちてくる獲物を捕食しようと、待ち侘びている奴等を見据える。その一匹に狙いを定め、落下の勢いを利用し、短剣で斬りつける。
ガキンッ!
「なっ!?」
頭部目掛けて振り下ろした短剣が、ちょうど硬い部分に当たり、刃が真っ二つに折れてしまった。
「この程度の短剣じゃ、全く歯が立たないな」
この短剣は、Cランクダンジョンのボス━━━コボルト・キングを討伐して、宝箱から入手した武器だ。
それをエンチャント・ポーションで強化したモノだったが、Aランク魔物には力不足だったようだ。
「武器がダメなら、もうコレしかないか」
これ以上装備を無駄にしないためにも、〈ハイオーガのガントレット〉を外す。手を何度か握って開いてを繰り返し、一気に駆け出す。
再度跳躍し、力を込めて拳を振り下ろすと、アーマード・センチピードの頭部と胴部の半分が爆散した。
『魔力が16UPしました』
『筋力が16UPしました』
『頑丈が31UPしました』
『敏捷が16UPしました』
『知力が16UPしました』
『精神が31UPしました』
『器用が16UPしました』
『幸運が18UPしました』
『【猛毒耐性】Lv.6にUPしました』
『【氷魔法耐性】Lv.6を獲得しました』
『【雷魔法耐性】Lv.6を獲得しました』
『【極暑耐性】Lv.6を獲得しました』
『【異音感知】Lv.6にUPしました』




