第38話 誇らしい
重軽傷者の手当てや戦死者の捜索を終えると、ハンター達は解散となった。魔物の処理や被災者への支援、被災地の復興は、政府とハンターギルドが連携して行っていく。
「ただいま」
「お帰りなさい」
そのまま風呂場に向かい、汗を流す。部屋着に着替えてリビングに向かうと、父さんが見ているテレビに、スタンピードの映像が流れていた。
「とても恐ろしい映像よね。あんな大きな魔物が群れで行動して、建物を破壊したり、逃げ惑う人達を襲ったそうよ」
母さんは、スタンピードが発生したことを知らないだろうと思って、俺に教えてくれる。
「知ってるよ、母さん。街中に大きな警報音が鳴り響いたし、繰り返しアナウンスが流れてたから、俺も現場に向かったよ」
「…えぇ!? 現場に向かったの!?」
母さんが驚きの声を上げ、料理を中断して、慌てて駆け寄ってくる。普段冷静沈着な父さんも立ち上がり、駆け寄ってくる。
「唯人、どこか怪我したりしてないか?」
母さんも父さんも、とても心配そうな目で見つめてくる。
「大丈夫だよ。どこも怪我してないから」
「…そうか。なら、いいんだ」
「あまり無茶しちゃダメよ」
「分かってるよ。それより、お腹空いた」
その後、出来上がった料理をモリモリ食べていると、父さんが話しかけてきた。
「そういえば、例のハンターには会えたか?」
「例のハンター?」
「ん? 知らないのか? 魔物の群れをたった一人で討伐したって、とても話題になっている。現場に向かったなら、そのハンターを見たと思ったんだが」
「その魔物の群れを討伐したのは、俺だけど?」
「「えっ…?」」
「現場に駆けつけたら、大勢のハンターと魔物が交戦していたんだけど、状況は劣勢だったんだ。だから一刻も早く討伐しようと、魔法と短剣で一気に殲滅したんだ」
「…じゃあ、あの凄い魔法は唯人がやったの?」
「そうだけど、魔法職に就いているハンターなら、あれくらいのことならできると思うよ」
「ま、魔法職?」
「簡単に言うと、魔法が得意な人ってこと」
「そうなのね。ハンターって凄いのね!」
「彼等のおかげで、私達は安心して暮らしていけるんだ。そんな立派なハンターに息子がなれていると思うと、父さんも誇らしい」
「でも、無茶だけはしないでね。無理だと思ったら、逃げたっていいんだから」
「うん。ありがとう」
父さんと母さんの優しさが、心に染みる。自分自身も誇らしい気持ちになり、軽やかな足取りで自室に向かう。
(一体、どれくらい成長したんだろ?)
ベッドに腰掛け、ワクワクした気持ちで、ステータスウィンドウを表示した。




