第37話 正体不明のハンター
トロール・キングを討伐し、他のハンター達の元へ戻ると、大きな歓声が出迎えてくれた。
天に拳を掲げる者や抱き合って喜んでいた者達が一斉に押し寄せ、涙を流しながら感謝の言葉を述べる。
突然のことで少し驚いたが、皆の気持ちが十分に伝わり、俺自身も達成感や充実感で心がいっぱいになった。
しかし、このまま喜んでいる場合じゃない。
「あ、あの! 皆さんの気持ちは、十分に伝わりました。ですが、まだ重軽傷者の対応が残っています。ご協力お願いします!」
ハッと我に帰り、周囲に散らばるハンター達。俺も重傷者の応急処置を手伝ったり、瓦礫の下敷きになった死体を運んだり。
現場の対応がある程度落ち着いた時、ハンターギルドの職員が話しかけてきた。
「お疲れ様です。私は、ハンターギルドの坂本と申します。スタンピードの終息にご助力頂き、感謝いたします」
「ハンターとして、当然のことをしただけなので…」
深々と頭を下げるギルド職員に対して、頬を掻き、照れ臭い気持ちで返事をする。
「謙虚な方ですね。貴方のお名前とランクを教えて頂けますか?」
「俺は、松原唯人です。Cランクです」
「…えっ?」
ハンター証を見せながら質問に答えると、坂本さんは素っ頓狂な声を上げ、俺の顔とハンター証を交互に見る。
「し、失礼しました! 実は、ギルド長の小川が松原様に感謝を伝えたいと申してまして。明日、ハンターギルドに来て頂けないでしょうか?」
スタンピードに対応するのはハンターとして当然だし、坂本さんから感謝の言葉は受け取った。
改めて、ギルド長に会いに行く必要はない。
(本音は、お偉いさんに会うのが面倒なだけだが…)
「すみません、お断りします」
「分かりました。では、失礼します」
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【速報】新たなSランクハンター誕生か!?
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100 無名のハンター
凄かったな…
101 無名のハンター
あぁ…
102 無名のハンター
上級ハンターが苦戦する魔物の群れを、たった一人で…
103 無名のハンター
二種類の大規模魔法を連続で行使していたけど、あのハンターは何者だ?
104 無名のハンター
分からん
105 無名のハンター
Sランクハンターの中で魔法が秀でている者は、二人
一人は【火魔法】で、もう一人は【神聖魔法】
106 無名のハンター
〈焼滅の女帝〉と〈治癒の聖母〉は、違うと思う
格好も違かったし、何より短剣でトドメを刺していたように見えたぞ
107 無名のハンター
私も見た。テレビでは遠くて見えなかったけど、配信にはバッチリ映ってた
何か特殊な武器なのかなぁ?
108 無名のハンター
てか、珍しくね? 魔法と武器で戦う奴
普通のハンターは、魔法か武器のどちらかを選び、さらにその中から一つ選び伸ばしていく
だから両方に優れるハンターは、いないと思っていたんだが…
109 無名のハンター
あぁ〜あのハンターの正体が気になりすぎる!
110 無名のハンター
正体不明の凄腕ハンター…カッコよすぎ!
111 無名のハンター
もしかしたら俺達は、新たなSランクハンター誕生の瞬間を、目撃したのかもしれない!
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