第33話 親子を助ける
「グァアアアアア!」
大量に出血している手首を押さえながら、周囲に響き渡るほど絶叫する。その間に娘に覆い被さる母親に駆け寄り、声をかける。
「早くこの場から逃げましょう! 立てますか?」
「えっ…と、はい。立てます!」
「近くのシェルターまで付き添います。落ち着いて行動しましょう」
「わ、分かりました!」
怪我をしている娘は母親が背負い、俺はシェルターの場所を確認する。そして、周囲を警戒しながら、行動を開始した。
「グォオオオオオ!」
しかし、母親のペースに合わせて行動しているので、先程のトロールからあまり距離を取ることができなかった。
後方から手首が元通りになったトロールが、激しい怒りを露わにしながら、物凄い勢いで追いかけてきた。
【看破】で視たトロールのステータスから、もしかしたらと思っていたが、例え四肢を斬り落としたところで、すぐに再生される。
「さて、どうやって倒すか…」
一般的なトロールの討伐方法は、傷口を【火魔法】で燃やし、再生を阻害しながら討伐する。
ただ、物理攻撃や魔法攻撃にも耐性があり、討伐するにはかなりの時間がかかる。早くこの二人を避難させないといけないので、アイツに時間をかけていられない。
「よし! それなら━━━」
ここへ来る前に、ダンジョンを攻略して入手した〈エンチャント・ポーション〉を取り出し、短剣に垂れ流す。
すると、剣身が紫色に変化し、毒々しい色合いの短剣になる。
トロールは【猛毒耐性】を所持していないし、同格のクイーン・ホーネットの猛毒なら、トロールも無事では済まないだろう。
怯える親子に、この場を動かないよう注意し、俺は【隠密】で姿を消し、トロールに接近する。
丸太のような太い首に短剣を深く刺し込み、再度親子の元に戻り、トロールの様子を窺う。
「グォ…オオオォォ…」
突然、喉を掻きむしるように苦しみ始め、膝から崩れ落ち、微動だにしなくなった。
『魔力が7UPしました』
『筋力が8UPしました』
『頑丈が12UPしました』
『敏捷が8UPしました』
『知力が7UPしました』
『精神が11UPしました』
『器用が7UPしました』
『幸運が9UPしました』
『【体術】Lv.4にUPしました』
『【水魔法耐性】Lv.4にUPしました』
『【土魔法耐性】Lv.4にUPしました』
『【風魔法耐性】Lv.4にUPしました』
『【再生】Lv.4を獲得しました』
やはり、状態異常攻撃は効果抜群だったようだ。
「さぁ、急いで向かいましょう」
「は、はい!」
俺は、魔物の脅威から守りながら、親子を無事にシェルターへ送り届けた。
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