第28話 物騒な称号
仮面の剣士が剣帯から長剣を抜き、素早い動きで距離を詰め、長剣を振り下ろす。【隠密】を警戒しているのか、発動させる隙を与えないよう、猛攻が続く。
ただ何度も剣を交わすことで、分かったことがある。目の前のコイツより、ステータスも技量も、俺の方が勝っていた。
なので対応に苦労することなく、余裕があった。後方でこちらの様子を注視している盾士と魔法士に、加勢する様子は見られない。
(なら、こちらから━━━)
長剣を大きく弾き、守勢から攻勢に移ろうとすると、剣士が後方に飛び退き距離を取る。
次の瞬間、俺の足元から激しく火柱が立ち昇り、俺は炎に包まれた。しかし、【火魔法耐性】のおかげで、すぐに焼け死ぬことはなかった。
火柱が消え、焼死することなく、さらに火傷さえ負った様子が見られない俺を見て、奴等が一瞬動揺したのを感じた。
「ウォーター・スラッシュ」
隙を見逃さず、水の刃を放つが、盾士が前に出てきて防御された。そして、再度魔法士が【火魔法】を発動し、頭上に多くの火球が現れ、勢いよく同時に降り注ぐ。
瞬時に【隠密】を発動し、奴等の元へ駆ける。奴等は、お互いに背を向け、周囲を警戒しているようだが━━━
直後、魔法士の首が斬り落とされ、血飛沫が舞う。
『魔力が10UPしました』
『筋力が7UPしました』
『頑丈が7UPしました』
『敏捷が7UPしました』
『知力が9UPしました』
『精神が8UPしました』
『器用が8UPしました』
『幸運が12UPしました』
『【火魔法】Lv.5にUPしました』
『【火魔法強化】Lv.4を獲得しました』
『【火魔法耐性】Lv.4にUPしました』
【隠密】の有効時間が終わり、姿が顕になると同時に、剣士が襲いかかってきた。
「フレイム・ピラー」
魔法士の【火魔法】を真似し、剣士が激しく立ち昇る火柱に包まれる。俺と同じくらいの精神値があり、【火魔法耐性】があれば生き残れるだろうが…果たして。
火柱が消え、その場に残っていたのは、黒焦げになり息も絶え絶えな、剣士の変わり果てた姿だった。
(現在の知力値じゃ、一撃で命を奪うことはできなかったか)
微かに息をしている剣士を、頭部に短剣を突き刺し、トドメを刺す。
『魔力が7UPしました』
『筋力が10UPしました』
『頑丈が8UPしました』
『敏捷が8UPしました』
『知力が7UPしました』
『精神が7UPしました』
『器用が8UPしました』
『幸運が13UPしました』
『【斬撃強化】Lv.4を獲得しました』
『【看破】Lv.4にUPしました』
残りは、盾士のみ。他の仲間が殺され、一対一のこの状況で、奴がどう動くのか注視していると━━━
『貴方は、これまでに十人殺害した殺人鬼です。殺人を躊躇わなくなった貴方には、称号が贈られます』
『称号【シリアルキラー】を獲得しました』
突然物騒な称号を獲得したと思ったら、何故か殺戮衝動が沸々と湧いてくる。目の前の奴を、殺したくて堪らない。
ついに衝動を抑えることができなくなり、勢いよく駆け出した。




